食品営業の許可業種を整理 液卵製造業も対象業種

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厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課は2月28日、東京都港区のTKP赤坂駅カンファレンスセンターで第15回「食品の営業規制に関する検討会」(座長=五十君靜信東京農大教授、委員12人)を開き、食品衛生法の一部改正に伴う営業許可対象業種などの見直しについて、取りまとめ案を協議した。

同省は昨年6月に「食品衛生法の一部を改正する法律」を公布し、2020年(一部は21年)の施行を予定している。同法では原則として、すべての食品関連事業者にHACCPに沿った衛生管理を求めていることから、地方自治体が対象事業者を把握して監督・指導する必要があるため、『営業届出制度』を創設してその範囲を検討すると同時に、昭和47年以降見直されていない現行の『営業許可制度』の対象34業種の範囲も、現在の食中毒リスクの評価や産業の実態に合うように見直しを進めているもの。

同日の取りまとめ案では、現制度の課題(①1つの施設で複数の営業許可が必要な場合がある②許可施設の基準を都道府県などが条例で定めるため、広域事業者は地域で対応を変えなければならない場合がある③行政コストの削減や手続きの簡素化が必要――など)や、検討の経緯、営業許可業種(同日時点の案では約30業種に再編)の共通基準と各業種の範囲・個別基準の素案などを示しているほか、改正内容の施行時期について「政省令の整備のほか、各都道府県などで条例の整備や電子申請システムの開発も必要なことから、平成30年6月13日の公布の日から3年以内」としている。

『要許可業種』の分類については、第12回検討会で示した基準案(たたき台、本紙2月15日号既報)の通り、本紙関係では現行の「食肉処理業」(現行の対象施設数は9602施設)、「食肉製品製造業」(同2421施設)、「菓子製造業」(同16万2418施設)のほか、新たに「液卵製造業」を加えている。食肉処理業の許可施設でショーケースなどを設けて小売りする場合や、菓子製造業の許可施設で客が購入した商品に飲料を添えて店内で提供する場合は、「食肉販売業」(同14万3328施設)や「飲食店営業」(同142万492施設)の新たな許可取得は不要としている。

また、現行の「ソース類製造業」は廃止し、マヨネーズやケチャップなどのソースを製造する場合も、製品のpHが4.6以下など所定の要件を満たす場合は、新たに設ける「密閉包装食品製造業」の許可は不要としている。許可対象外の製品を具体的に例示することも検討している。

新設した『要届出業種』は、基本的に公衆衛生に与える影響が少ない、許可業種以外の業種を対象とし、鶏卵GPセンターなども、これに含まれる見通しとなっている。今後は、同日の検討会で委員から出された意見をもとに、事務局の厚労省が修正した取りまとめ案を3月中に公表してパブリックコメントを募集し、取りまとめの最終案を作成。これをもとに政省令を作成し、再びパブリックコメントを実施して6月をめどに公布することにしている。