「いいたまごの日」中央イベント アイデア料理などで『卵の価値』発信
(一社)日本養鶏協会(齋藤利明会長)と(一社)日本卵業協会(馬場昭人会長)は11月4日、東京都中央区銀座の東京ガススタジオ・プラスジーギンザで『いいたまごの日』の中央イベントを共催した。
11月5日の『いいたまごの日』は、日鶏協が2010年に制定。毎年、都内で日卵協とコラボイベントを開き、同記念日の知名度向上と、鶏卵の消費促進に取り組んでいる。
今年のイベントでは、午前中は日卵協の青年部組織「ヤングミーティング」(松本邦義代表幹事)が中心となって『第2回たまごニコニコ料理甲子園』の決勝大会を開催。午後は日鶏協の企画で、ウェブサイト「マイナビウーマン」を通じて募集した一般消費者を招待し、料理研究家の牧野直子さん(㈲スタジオ食〈くう〉代表)が「エッグベネディクト」などの手軽な作り方をレクチャーする『お手軽&おしゃれな簡単たまご料理レッスン♪』を開いた。
中央イベントの開催に当たり、あいさつした日鶏協の齋藤会長は「会員が生産する卵について、消費者の方々に『もっとよく知ってもらい、安心して食べてもらいたい』との思いから、当協会は『いいたまごの日』の制定をはじめ、様々な活動をしている。
近年、世帯主が40代より若い家庭では、1人当たり鶏卵摂取量が少なくなる傾向がみられている。このような中で、本イベントを通じて卵料理の栄養的価値や効能、鶏卵の賞味期限などに関する正しい知識がより広まり、そして何よりも、卵の価値を見直していただき、家庭で卵料理をつくるきっかけとなるよう願っている」と述べた。
第2回たまごニコニコ料理甲子園グランプリは山形県の太田佳奈さん
『第2回たまごニコニコ料理甲子園』には、全国の高等学校や専門学校などの生徒から762作品がエントリー。全国6エリアの厳しい予選を勝ち抜いた高校生6チームが、11月4日の決勝大会に出場し、この日を目指して懸命に練習したアイデア卵料理を披露した。
出場作品は「卵を1人前に2個以上」使用し、「家庭にある調理器具」で「下準備も入れて1時間以内にできること」などが条件。料理甲子園の野田裕一朗実行委員長(日卵協理事)が「プレイボール!」とスタートを宣言し、各チームは一斉に調理にとりかかった。
調理時間中は、たまごタレントの友加里さんがマイクを持って各チームを回り、調理のもようを実況。いずれのチームも制限をクリアし、素晴らしい作品を完成させた。
調理終了後は、日卵協の馬場会長、日鶏協の齋藤会長、料理研究家の牧野直子さん(管理栄養士)、東京家政大学の峯木眞知子教授(農学博士、管理栄養士)、東京ガス㈱「食」情報センターの杉山智美主幹が審査員となり、所定の評価項目に従って厳正に審査。
北海道・東北エリア代表の太田佳奈さん(山形県立山辺高等学校、17歳)がグランプリを獲得し、賞状と賞金10万円、「たまご1年分(たまごギフト券で1日2個×365日=730個分相当)」などの副賞、記念のメダルが授与された。感想を聞かれた太田さんは「先生方やクラスのみんなに、たくさん応援してもらい…不安でいっぱいだったが、ちゃんと結果を残せて、涙が出るほどうれしい」と話して涙。
準グランプリは、近畿エリア代表のチーム「はぴねす」(京都府、福知山淑徳高等学校、代表=幸福菜々子さん、16歳)が受賞。賞状と賞金5万円、「たまご半年分(たまごギフト券365個分相当)」、記念のメダルが授与された。
北陸・東海エリア代表のチーム「あげなっぱ」(岐阜県立岐阜農林高等学校、代表=池戸亜希羽さん、16歳)は『デリシャス賞』、関東エリア代表の木下佳純さん(神奈川県立中央農業高等学校、15歳)は『アイデア賞』、中四国エリア代表の金山友泉さん(山口県、宇部フロンティア大学付属香川高等学校、17歳)は『栄養満点賞』、九州・沖縄エリア代表のチーム「筑水原産キャピキャピガールズ」(福岡県立久留米筑水高等学校、代表=岡田都和さん、17歳)は『彩(いろどり)賞』に選ばれた。
グランプリを受賞した太田さんの作品『まんまる太陽サレ』は、フランス発祥の塩味のケーキ「ケーク・サレ」をアレンジした作品。審査講評で牧野直子さんは、半熟状態でオーブンに入れ、焼き上げた卵が、きれいに真ん中に配置されるなど「卵に存在感があった」点が高く評価されたことを紹介した。
ヤングミーティングの松本代表幹事が、出場者や審査員にお礼を述べるとともに、「これを機に、卵の素晴らしさを『たまニコ運動』とともに皆様の地元に伝えていただければ、主催者としても大変ありがたい」とあいさつ。
授賞式を終えて日卵協の馬場会長は「優勝された方も涙ながらに仰っていたが、大会に出る料理人は、同じ料理を本当に何か月もかけて毎日毎日練習する。本当にすごい仕事だと思っているが、本日も選手は皆、真剣なまなざしで調理され、引率の先生方も、やはり生徒は毎日練習していたと話されており、必死に頑張っていることを実感した。
卵は本当に栄養満点で、安価でおいしく、主役となる様々な料理があり、引き立て役にもなる。コレステロールについても、それほど心配しなくてよいとの研究成果が出てきており、何より鶏卵業界には、卵をたくさん食べているため年をとっても元気な人が大勢いる。1日2個でも3個でも、自信を持って卵料理をどんどん作り、普及していただきたい」と述べ、野田委員長の「ゲームセット!」のかけ声で、料理甲子園を終了した。
ポーチドエッグを上手に調理「女子力を上げる!」卵の栄養も紹介
日本養鶏協会主催の『お手軽&おしゃれな簡単たまご料理レッスン♪』には、16人の女性が参加。友加里さんの司会進行のもと、料理研究家の牧野直子さんが「エッグベネディクト」と、付け合わせのグリル野菜の調理を実演し、「食」情報センターの杉山智美主幹が解説の聞き手を務めながら、ガスレンジとグリルの使い方のコツなども紹介した。
牧野さんは「ポーチドエッグが上手にできるかが、エッグベネディクトを作る際の一番の肝」として、半熟のポーチドエッグの作り方について①卵を調理前に冷蔵庫から出し、常温にしておく②沸騰したお湯に、酢を1リットル当たり大さじ4杯、塩を同1杯入れ、菜箸でかき回して渦をつくる③割った卵を渦の中心にそっと入れ、広がった白身をつまんで中心につける④火を弱めて2分間待つ――などと説明。
参加者はエプロンをして、教わったレシピでエッグベネディクトの調理に挑戦。どのテーブルも、ポーチドエッグを上手につくり、失敗なく料理ができ上がった。
調理終了後には、牧野さんが「女子力を上げる!たまごの栄養」と題して、卵の栄養価の高さや、カロリーの低さ、消化・吸収に優れている点など、多岐にわたる卵の魅力を解説。
卵のたんぱく質は「美肌の土台をつくる」、メチオニンは「体の老廃物や毒素などを排泄(デトックス)する」、ビタミンB2は「口内炎、吹き出物を予防、改善する」「脂質の代謝をよくする」、コレステロールなどの脂質は「細胞をつくる」、ビタミンAは「潤いのある肌づくりや眼の健康維持に役立つ」、亜鉛は「味覚を正常に保つ」「傷の治りを早める」、鉄や葉酸は「貧血予防になり、妊活にも不可欠」などの働きがあることを取り上げて、「健康のために、1日2個程度の卵を食べましょう」とスライドを使って紹介した。
日鶏協の彦坂誠副会長(国産鶏卵に関する普及啓発問題検討委員会委員長)が「参加者の皆さんが調理されたエッグベネディクトは、もれなくおいしそうだった。これからはぜひ自信を持って、家族や大事な方に作っていただけると嬉しい。本日は卵の栄養などに関する知識だけでなく、皆さんと卵料理をつくった楽しさも持ち帰っていただき、ご家庭で話題にしていただくなど、卵を介して皆さんの人生が少しでもより豊かにできれば、こんなに嬉しいことはない」とあいさつして閉会した。
【グランプリに課があいた太田さんは、友加里さんのインタビューに思わず涙…(上段左)卵がきれいに真ん中に入った『まんまる太陽サレ』(上段中)最後は笑顔のたまニコポーズで記念撮影!!(上段右)たまご料理レッスンでは料理研究家の牧野さんが講師に(下段左)参加者が調理に挑戦した「エッグベネティクト」(下段中)参加者は料理を通じて楽しい時間も共有した(下段右)】