総合優勝は土田氏の白、第78回チャボ全国品評会
全日本チャボ保存協会(鹿嶋善次郎会長―事務局・さいたま市北区盆栽町459-1)は4月17日、東京都江戸川区の総合文化センター展示会場で第78回チャボ全国品評会を開き、愛好家が愛玩用、観賞用として飼育している自慢のチャボが多数出品された。
出品されたチャボは、形態的特色から、協会認定の25種に分け、第1部は白と桂(かつら=尾と主翼の先が黒)。第2部は黒、碁石(ごいし=黒色羽の先が白い)、猩々(しょうじょう)、源平、白笹、赤笹、銀笹、逆毛(さかげ)、糸毛(いとげ)、翁(おきな)。第3部は浅黄(あさぎ)、真黒(しんくろ)、淡毛猩々、桜碁石、三色碁石、加比丹猩々、鞍掛源平、銀鈴波(ぎんすずなみ)、金鈴波(きんすずなみ)、黄笹、金笹、大冠、達磨の3部制で実施。
審査に当たっては審査員(鹿嶋会長と熊谷弘、服部敬の3氏。自らが出品した鶏は自己採点しない)が、それぞれ体重や冠、肉ぜん、尾などで審査。各部門から1点ずつ優勝を選出、この中から総合優勝(農林水産省生産局長賞、東京都知事賞、ザ・ポウルトリー賞、全日本チャボ保存協会会長賞)を決めた。
優勝は第1部が土田啓二氏(山形県東根市)の白、第2部も土田啓二氏(同)の黒、第3部が岡本健一氏(東京都豊島区)の三色碁石で、総合優勝は土田啓二氏の白が選ばれた。このほか、準優勝(片山和美氏の桂、石橋敬弘氏の銀笹、岡本健一氏の加比丹)、特等賞(5)、一等賞(10)などのほか、保存奨励賞、努力賞、多数出品賞などが贈呈された。
同会は、大正10年に愛好者らによって設立された日本チャボ倶楽部(三井高遂会長)が発端で、昭和16年にチャボが国の天然記念物に指定されたのを機に3団体が合併して現在の名称となり、毎年、希少内種奨励の目的も兼ねて品評会を開いたり、飼育技術や鶏病などの勉強会も開いている。
チャボの原種は、300年以上前の江戸時代初期に中国から渡来し、愛好家によって現在のような芸術性の高いチャボに品種改良されてきた。体は小型で成体重は雄で0.7キログラム、雌で0.6キログラム。尾が直立し、脚が短いのが特徴。特に日本人には「真っ赤な頭・真っ白な体・黒い尾羽」の桂チャボが好まれるようである。
近年は、飼育者の高齢化、後継者不足、住宅事情による飼育環境の悪化など、チャボの飼育・保存活動にとって厳しい状況となっているが、同会ではチャボ飼育の素晴らしさへの理解を深め、1人でも多くの愛好家を育てていきたいとし、会員や賛助会員を募集している。
【出品されたチャボを慎重に審査する審査員】