熊本県がAI防疫マニュアルを改訂 殺処分24時間以内、防疫措置72時間以内に対応
熊本県は、今年4月に県内で発生した高病原性鳥インフルエンザ(AI)の教訓を踏まえ、今後の防疫措置のさらなる迅速化と強化を図るために、6月30日付で防疫対策マニュアルを改定した。
熊本県で今年4月に発生したAIでは、遺伝子検査でH5亜型が判明してから防疫措置の埋却終了まで72時間以内という迅速な対応であったことが各方面から高く評価されている。一方、県は、防疫作業体制が効率的でなかったことや、作業現場と作業を支援する側の情報共有が円滑でなかったこと、マニュアルで想定した以上の発生規模であったこと、防疫資材が不足する場面があったこと――などが大きな問題点であったとしている。
県では、こうした問題点を克服するため、現場責任者や防疫作業に従事した一般職員、防疫作業に従事した市町村や建設業協会などから幅広く意見を聴取し、全県的な防疫体制の再構築と、それに合わせた「熊本県高病原性鳥インフルエンザおよび低病原性鳥インフルエンザ防疫対策マニュアル」を改訂したもの。
新対策マニュアルでは、(1)県対策本部の総合指揮機能の強化と情報の共有化(連携強化)(2)殺処分24時間、防疫措置72時間の期限に対応するため、発生規模(1万羽、3万羽、5万羽、10万羽)に応じた体制強化(人員確保)(3)発生に備えた適正な防疫資材の確保と備蓄の強化(4)作業工程に応じた資材管理と補給の責任者の配置(5)発生農場や農場周辺のバイオセキュリティーの強化(立ち入り制限・通行制限)(6)発生農場内の防疫措置の強化(指揮命令系統の確立)(7)防疫演習などの充実・強化(人材育成)――など、多岐にわたって対応を強化している。