渡り鳥から低病原性AI 島根県のコハクチョウ

渡り鳥の飛来シーズンを迎え、高病原性鳥インフルエンザ(AI)の発生が懸念されている中、昨年11月にAIが発生した島根県で、死んだ野鳥のコハクチョウから低病原性のH5N2ウイルスが確認された。養鶏場での防疫対策レベルを一層高め、発生防止に努めなければいけない。

島根県は11月15日、松江市美保関町の岸壁で見つかった渡り鳥のコハクチョウを遺伝子検査したところ、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性が確認され、鳥取大学の確定検査で低病原性の特徴を持つH5N2亜型のウイルスが分離されたと発表した。今後は、最終検査のために同大学でニワトリへの接種検査を行なうが、結果は10日程度を要するとのこと。
県によると、コハクチョウの死骸は、東部農林振興センターの職員が7日に回収し、松江家畜保健衛生所での簡易検査ではAI「陰性」であったが、8日に検体を環境省の国立環境研究所(茨城県つくば市)へ送って遺伝子検査したところ、A型鳥インフルエンザウイルス「陽性」の連絡を受けた。ウイルスが高病原性かどうかを確定するため再度、検体を国立環境研究所から鳥取大学に移して検査していた。
環境省は、死骸が見つかった場所から半径10キロメートル圏内を野鳥監視重点区域に指定し、野鳥の監視を強化する。死骸の発見場所から半径3キロメートル以内に養鶏場などはなく、家きんのAI防疫対応は取られないが、県は、10日には関係部署の課長らによる危機管理連絡会議を開いて情報の共有の徹底を確認し、引き続き野鳥の監視を続ける。

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