森光子さんの若さと元気の源はバランスのよい食事と運動 欠かさぬ大好きな食肉と卵

『安心な国産食肉で元気に長生き』をテーマに、「食肉と健康を考えるシンポジウム2006」(東京会場)が1月28日、東京都千代田区内幸町のイイノホールで開かれ、主婦ら一般消費者が多数参加した。
(財)日本食肉消費総合センター(田家邦明理事長)の主催、農水省生産局と(独)農畜産業振興機構(山本徹理事長)の後援で開いたもので、2月5日には、仙台市の仙台電力ホールでも開かれた。
シンポジウムの冒頭、田家理事長は、「最近は鳥インフルエンザやBSEなどの問題が相次ぎ、消費者の食肉の安全への関心が高まっている。豊かな消費生活を守るためには、情報の共有が大事であるため、今後も科学的根拠に基づいた、正確な情報を消費者の皆様に提供していきたい」などとあいさつした。
フリーアナウンサーの生島ヒロシ氏の司会で進めた第1部のパネルディスカッションでは、吉川泰弘東京大学大学院農学生命科学研究科教授が牛肉のトレーサビリティシステム、品川邦汎岩手大学農学部獣医学科教授が豚肉や鶏肉の生産・流通現場でのHACCPへの取り組み、高田明和浜松医科大学名誉教授が食肉の栄養と健康、上野川修一日本大学生物資源科学部教授が食肉と免疫の関係について、それぞれ説明した。
この中で品川教授は、鳥インフルエンザへの感染の危険性について「鶏肉や卵を食べて鳥インフルエンザに感染した例は世界でもない。生きた鶏を売る市場などがある中国やタイ、ベトナムなどでは、人への感染が相次いでいるが、食鳥検査制度の下で解体された鶏肉が衛生的に流通する日本では、一般の消費者が鶏肉や鶏卵を食べて鳥インフルエンザに感染するようなことは考えられない」と国産の鶏肉や鶏卵の安全性を強調した。
第2部では、芸能生活70年以上で、ますます元気な女優の森光子さんを特別ゲストに迎えて、トークショーが行なわれた。
1920年生まれで、現在85歳という森さんは、「京都の料亭に生まれながら、どこにいっても食べ物がない時代で、肉などはめったに食べられなかった。ただし、家で鶏を飼っていて、卵を産んでくれるのが楽しみであった。今でも卵は大好きで、特に卵かけご飯などは、かつては1個の卵で3膳食べた。
また若い頃に結核にかかって入院し、栄養状態が悪かったためか、戦後も再発を繰り返した。
15歳から芸能関係の仕事を始め、戦争が終わる昭和20年まで、旧日本軍の慰問のために満州に行き、振り袖を着て歌った。皆、姿勢を正して一生懸命聞いてくれたが、この人たちと再び会うことができるだろうかと思った。
戦後は仕事がなく、食べるために米軍のキャンプで歌ったりしたが、進駐軍が駐留していて、『若い女性は顔にナベズミを塗り髪を切って山に隠れろ』などと言われた。恐い思いもしたが、控え室でサンドイッチなどを食べることができ、喜びもあった。いずれにしても大変な時代であり、食べることの大切さが分かった時代でもあった」などと当時を振り返った。
さらに、「若いうちに一生分の病気にかかってしまったためか、この10数年はずっと病気知らず」という森さんは、その若さと元気の秘訣について「エアロバイクやバランスボールなどの運動のほか、両手を頭の後ろに置いて、ひざを曲げるヒンズースクワットの運動を、毎日150回やっている。とにかく続けることが一番大切」とし、食事については「好きなお肉を中心に、野菜を意識的に食べるようにしている」と披露したが、朝食に卵を欠かさないのが特徴でもある。
管理栄養士の牧野直子氏が森さんの1週間の食事について、「『少量多品目』の献立で、1食分が約600キロカロリーと、見た目よりも控えめ。お肉は一食分に80グラムから100グラムと、健康を保つのに、ちょうど良い量になっている」と評価し、「森さんの献立に近づきたいが、少量多品目は大変、という人は、ご飯などの炭水化物や、お肉などのたんぱく質の料理に加えて、おかずをいつもより一品多く作ってみて」とアドバイスした。
森さんが健康と若さを保つために、毎日卵を食べることを情報で知っていたため、(社)日本養鶏協会の村石愛二副会長と、(社)日本卵業協会の杉田明専務理事が東京会場の楽屋を訪れて、新鮮な鶏卵と、卵を使ったお菓子を森光子さんにプレゼントし、大変喜ばれた。

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