EU基準のケージを特別展示 Euro Tier2004

11月9日から12日までの4日間、ドイツ・ハノーバー市のメッセ(国際展示場)で、『EuroTier2004』が開催された。今回のテーマは「動物衛生と食の安全」で、過去最大の1,430の企業・団体(2002年は1,331)が出展した。このうちドイツ国外からの出展は42か国・114社(団体)で、02年に比べ41%増えた。
今回の入場者総数は約11万人強(02年の入場者数は延べ12万746人)とみられているが、今回目立っていたのは中央・東ヨーロッパからの参加者で、ロシアだけで約1,500人が訪れた。アジアの国々からの参加者も若干増加したようだ。
家きん関連の展示は、いくつかの建物に分散していたこれまでの展示会とは大きく異なり、今回はメッセ内の最大級の建物に1つにまとめられていた。家きん関連の出展数は約230で、このうち70%がドイツ国外からの出展であった。
家きんの展示会場での大きな傾向としては、巨大・多段式のケージシステムの展示がなくなり、EU圏内での2012年のケージ撤廃を見越して、すべてのケージメーカーが、平飼いやエンリッチドケージシステムの展示していた。
会場の中央に設けられた特別展示エリアでは、入り口にEU指針基準(1999/74/EG)が表示され、基準を満たした各ケージメーカーの代表システムが、自社ブースとは別の形で展示されており、EU内での飼養システムの移行が本格化していることがうかがわれた。
この特別展示エリアの設置については、動物愛護団体への配慮と受け取った人もいたようだ。巨大・多段式ケージシステムは、トルコの会社が積極的に取り扱っていたものの、ビデオ紹介にとどめていた。
主催者側は、家きん展示会は完璧な成功と評しており、世界中の参加者に対して、オルタネイティブ(平飼い/エンリッチドケージ)システムに対する興味を十分に持たせることができた、とコメントしている。
日本で知られている出展企業は、種鶏関係はローマン、ハイライン、ヘンドリックス・ポートリー・ブリーダーズ、イサ、エビアジェン、コッブ、ハバードなど。ケージ関係ではサルメット、ファッコ、ビッグダッチマン、ベンコマチック、メラー、テクノなど。機械関係ではチックマスター、ジェームスウェー、リンコ、ストーク、エンブレックス、サノボなどが出展していた。
主催者側からは、EuroTierの全入場者数のうち、家きん関連は19%であったとの調査結果も発表されている。
主催者の参加者アンケートの結果では、90%の人が非常に良かった/満足した、89%が今後のビジネスに役立ったと回答している。次回のEuroTierは、2006年11月14日から17日までの開催を予定している。

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