卵価は11月も低水準で推移か、食鳥は強基調で推移 全農予測
全農は、このほど10~11月の畜産物市況予測をまとめた。鶏卵、食鳥の予測は次の通り。
〈鶏卵〉
10月=供給面では、産卵に適した気候となり、また、稼働がピークを迎えることから、供給過剰の状況がさらに深刻化することが懸念される。全国の生産者による徹底した計画生産の実施がなければ、さらなる卵価下落の可能性が高い。
需要面では、気温の低下に伴い鶏卵消費の回復が見込まれるが、相場の先行き懸念から荷動きの鈍化も予想され、過大な生産量を消費し尽くせるほどの需要の高まりは期待できない。品傷み在庫の流通による事故発生がないよう、十分な注意が必要である。
相場は、Mサイズ基準値月間平均で155円前後(前年196円)か。
11月=供給面では、引き続き高水準の安定した産卵が見込まれる。年末需要を見据えた生産調整の実施も予想されるが、生産水準が過大なため、需要に見合った適正水準までの抑制効果は期待しにくい。
需要面では、気温の低下により鍋物需要の開始など、季節需要の高まりが見込まれる。しかし、不況の影響から消費水準が低位の推移となっており、過剰な生産量を消費できるまでの好材料は、今のところ見当たらない。
相場は、Mサイズ基準値月間平均で165円前後(前年201円)か。
〈食鳥〉
10月=PWVの見通しによると、10月の国内出荷は、計画処理羽数が前年比101.7%、同処理重量が同100.9%となっており、減産傾向がうかがえる状況にはない。
輸入に関しては、輸入停止措置が解除された中国産については依然として先行き不透明となっており、他国の動向も合わせ引き続き予断を許さない状況となっている。
需要面では、秋の行楽シーズン本番を迎え、気温の低下につれて業務・一般ともに需要増加に期待がかかるが、入荷量の動向次第では再び供給過剰に陥ることも懸念され、楽観はしにくい状況が続く。
市況は、様子見ながらおおむね強基調の展開となり、月間平均では、もも570円前後(前年641円)、むね210円前後(前年193円)か。
11月=PWVの見通しによると、11月の国内出荷は、計画処理羽数が前年比97.2%、同処理重量が同96.4%と前年を割り込む見通しとなっている。
需要面では、例年であれば年末の需要期を前に業務関係の手当て買いが期待される時期となるが、年末の需給バランスが不透明な中で、様子見が続くことも考えられる。
市況は強保合いの展開か。