有機たい肥の熟成度を評価 日清製粉が有料分析サービス
日清製粉(株)(新倉英隆社長―本社・東京)は、このほど有機質堆肥の熟度分析・品質評価システムを開発し、『エコドクター』の名称で有料分析サービスを開始した。
同社は従来から環境関連ビジネスとして、パン発酵や醤油などの醸造に関する応用微生物分野の技術を活用した堆肥化発酵促進剤「アクセルコンポシリーズ」を販売し、畜産業をはじめ、下水汚泥や土木建設分野の残さ処理など、多方面にわたる堆肥化リサイクルで好評を得ている。
今回は、堆肥の熟度分析・品質評価において、より高品質の堆肥を作るための高度な分析精度を求める潜在的ニーズに対応し、長年培った堆肥化発酵技術を生かした付加価値の高い堆肥の熟度分析・品質評価システムを開発したもの。
これまでの堆肥の品質評価は、肥料の3大成分である窒素・リン酸・カリウムや、有害な重金属の含有量分析が主体であり、熟度評価は主に臭い・色・手触り感に頼るなど、官能的・主観的な手法が用いられていた。
同社は、発酵促進資材を販売促進するためのサービスの一環として、従来から独自に開発したHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による窒素成分の分子量分析解析手法を活用し、堆肥の熟度分析を行なってきた。
『エコドクター』は、HPLC解析手法に加え、同社の発酵促進剤販売を通じて得られた豊富な分析事例(全国の堆肥3,000点以上)をベースに、総合的な点数格付け(1~100点)を行なう堆肥の総合品質評価指数「CQI(CompostQualityIndex)」を新たに開発・導入し、システム化したもの。科学的・客観的に熟度を評価でき、全農推奨型の堆肥分析手法にも指定された。
平成16年11月からは「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が、18年3月には「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」がそれぞれ完全施行されるため、今後は畜産・食品分野を中心に、品質の良い堆肥作りに対する需要は一層高まるものと予想される。同社では畜産業界で有料サービスを開始し、順次、有機質堆肥全般に拡大する予定で、3年後に5億円の売り上げを目指す。
問い合わせは同社第2営業部エコチーム(電03・5282・6380)へ。