「卵」はおおむね妥当と判断 アレルゲンを含む食品の表示制度
食品安全委員会は6月8日に開催した第819回食品安全委員会で、アレルゲンを含む食品(卵)の「食物アレルギー表示」制度の妥当性を、現時点での科学的知見に基づいて調査審議を重ねた結果、『現在の食物アレルギー表示制度は、「卵」についてはおおむね妥当である』と判断したと公表した。
アレルゲンを含む食品に関する表示の対象は、食物アレルギーの重篤度・症例数の多い特定原材料で表示を義務付けている7品目(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)と、過去に一定の頻度で健康危害がみられ、特定原材料に順ずるもので表示を推奨している21品目(畜産物では牛肉、鶏肉、豚肉が含まれる)がある。
同委員会では今回、科学的知見が豊富な「卵」について評価したもの。
アレルギー症状の誘発には個人差があり、個人レベルでみると、微量の鶏卵たんぱく質レベルでアレルギー症状が誘発されることもある。このため、鶏卵アレルギーに限らず、食物アレルギー患者は医師の指示の下に加工食品を摂取する必要があるが、現在のアレルゲンを含む食品の表示制度があることにより、おおむね鶏卵アレルギー患者でも、表示義務対象の加工食品ではアレルギー症状が誘発されないことから、「卵」についての表示制度はおおむね妥当と判断した。