農場価格、前年度より上昇 USDA穀物需給予測
米国農務省(USDA)は5月12日付の農産物需給予測月報(WASDE)で、今秋収穫する21/22穀物年度の予測を公表した。
トウモロコシ
米国産【表1】については、単収が伸びて輸出が減少し、期末在庫率は10%台を回復するとしているが、単収は平年並みの作付けと夏場の天候に恵まれた場合の予測値。
平均農家販売価格は前年度より1.35ドル上昇し5.70ドルになるとしている。
世界【表2】については、各国で生産が伸び、総生産量は前年度比5.4%増で過去最高の約11億9000万トンを予測しているが、使用量も同2.8%伸び、期末在庫は同3.1%増えるとしている。
国別では、米国の輸出が前年度よりは鈍化するとしているが、中国の輸入量は前年度と同じ2600万トンと予測している。なお中国は前年度の20/21年度に輸入量が前年度比1840万トン増の2600万トンとなり、米国産の輸出量も同2532万トン増の7049万トンに拡大している。大麦やマイロなどを含む粗粒穀物全体でみると、中国の21/22年度の輸入量は前年度からさらに310万トン増え、現実になれば過去最高の4630万トンになるとしている。
大豆
米国産【表1】については、期初在庫が前年度より大幅に減ったため、総供給量も前年度を下回るとしている。仕向け先別では、米国内の搾油向けが搾油マージンの良さから前年度を3500万ブッシェル上回るとする一方、輸出が2億500万ブッシェル減るとしている。
期末在庫率は3.2%と依然、極めて低く、平均農家販売価格は前年度より2.60ドル高い13.85ドルになるとしている。
世界【表2】については、アルゼンチンとブラジルの生産が増えるとし、大豆以外の油糧種子についても取引相場の高さから増産傾向が強まるとみている。世界の輸出(国際貿易)量は前年度比1%増を見込み、中国の輸入量は前年度からさらに300万トン増え1億300万トンになるとしている。
シカゴ相場(期近物)は歴史的高値で推移しており、トウモロコシはブラジルと米国の天候不順や強い輸出需要が懸念材料として報じられた5月7~10日前後に7ドル台を超え、一時は8年ぶりの高値となる7ドル28セント前後を付けた。5月30日時点では6ドル56セント前後となっている。大豆も一時16ドル台を超え、30日時点は15ドル30セント前後で推移している。