オヤマがSDGsの観点で新商品『とりたん』を開発
行き場を失う砂肝を活用
㈱オヤマ(小山征男社長―本社・岩手県一関市)は、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、砂肝を活用した鶏肉加工品『とりたん』を開発し、新発売した。
オヤマは銘柄鶏「奥州いわいどり」などの生産・飼育から食肉加工、総菜加工、店舗運営までを一貫で行ない、6次産業化に取り組んでいるが、昨年からの新型コロナウイルスの影響による飲食店の休業・売り上げ低迷で鶏肉の内臓類が行き場を失い、廃棄せざるを得なくなっていたため、開発担当者が廃棄される部位のひとつである砂肝(ギザード)を使用した加工品を考案した。
砂肝は1羽の鶏から約30グラムしか取れない部位で食感は歯切れがよく、ぷりっとした歯応えも楽しめる。オヤマでは塩こうじを主体に、様々な調味料を加えたオリジナルのタレを開発し、濃厚な塩味が砂肝の味わいにピッタリで、ご飯にもお酒にも合う『とりたん』ができ上がった。香ばしく焼くと〝牛タン〟のような食感と風味になる。
商品の形状を元に、かわいらしい顔が4つ並んだ怪獣をオヤマの社員が愛情を込めて描き出し、オリジナルキャラクターも完成。同時に初めて製品・製造方法に関する特許も出願した(出願番号=特願2021-67716)。
『とりたん』の発売と特許出願を記念して、4月19日から21日まで、ネットショップ「奥州いわいネット」(https://iwai181.shop-pro.jp/)で宅配掘出市を開催した。4月の「オヤマ感謝祭2021」を〝とりたん誕生の巻〟と銘打って実施したもので、今回の宅配掘出市では特典として、①『とりたん』を購入した先着1000人にオリジナル「とりたんぶらー」をプレゼント②ネットでの買い物で貯まるGMOポイントを通常の2倍プレゼント③商品到着後、盛り付け画像とコメントをレビューに投稿した人に景品をプレゼント――した。
さらに紙資源の省エネ化や受注ミスをなくすため、今回からFAX注文を廃止し、ネット注文のみとした。新型コロナウイルスの影響で通常ルートで販売できなくなった商品や、規格外品を安価に販売することでフードロスを削減し、商品の外箱には使用済み段ボールを再利用することで、環境にも配慮した。
このほか、①鶏糞を鶏舎のボイラー燃料として使用②木質バイオマスエネルギー利用施設の導入③森林の恵みから生まれた「木酢液」を「奥州いわいどり」に給与――など、持続可能な取り組みを続けているオヤマでは「『奥州いわいどり』の飼育・生産を通じて、さらなるSDGsの達成に貢献したいと考えている。コロナ禍の今こそ従業員全員で心をひとつにし、地域のため、お客様のためにできることに精一杯取り組みたい」としている。