食の安全・安心確保に154億円 厚労省の令和2年度予算案

厚生労働省は12月20日に令和2年度予算案を公表した。一般会計の予算は32兆9861億円で、前年(令和元年)度予算から3.2%増えた。

『食の安全・安心の確保など』は154億円(前年度147億円)。

このうち「残留農薬・食品添加物等の規格基準策定の推進」(一部新規)は15億円(同13億円)。残留農薬・食品添加物等の規格基準の策定を計画的に進める。

「HACCPの制度化などによる的確な監視・指導対策の推進等」(一部新規)は6億6000万円(同6億円)。改正食品衛生法により、すべての食品等事業者に対しHACCPに沿った衛生管理が制度化されるため、業種別手引書などによる周知・啓発を行なうほか、引き続き電子申請等の共通基盤システム整備を進める。

「農林水産物・食品の輸出拡大に向けた対応の強化」(一部新規)は1億3000万円(同2600万円)。令和元年11月に成立した「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」に基づき、さらなる輸出拡大を図るため、輸出施設認定・証明書発行の迅速化などに取り組む。

「検疫所における水際対策等の推進」は120億円(同116億円)で、①観光立国推進に対応した検疫機能の強化(一部新規)②輸入食品の適切な監視指導を徹底するための体制強化――に取り組む。

「食品安全に関するリスクコミュニケーションの実施等」は14億円(同12億円)。このうち「食品に関する情報提供や意見交換(リスクコミュニケーション)の推進」は900万円(前年度と同額)、「食品の安全の確保に資する研究の推進」は9億4000万円(前年度7億9000万円)、「カネミ油症患者に対する健康実態調査等の実施」は4億3000万円(前年度と同額)。

『生活衛生関係営業の活性化や振興など』は52億円(前年度50億円)。生産性向上ガイドライン・マニュアルのさらなる普及・定着と、それを活用した個別相談、最低賃金の引き上げの影響が大きい生活衛生関係営業者に対する収益力向上に関するセミナーなどを実施するとともに、同業の振興や発展を図るための組織基盤の強化を通じた衛生水準の確保・向上、相談支援体制の強化などを行なう。