青森県でもHPAI 今シーズン8県、9例目
青森県三戸町の肉用種鶏農場(約7000羽)で、今シーズン国内9例目の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が発生した。
青森県では12月11日に当該農場から死亡羽数増加の通報を受けて、八戸家畜保健衛生所が簡易検査で陽性を確認。12日に遺伝子検査でHPAIを確認した。当該農場から半径3km以内の移動制限区域には1農場・約1万6000羽、半径3~10km以内の搬出制限区域には25農場・約140万羽(うち岩手県に2農場・約9万7000羽)がいる。当該農場での殺処分は12日のうちに完了し、防疫措置は14日に完了した。
今シーズンのHPAI発生は、1例目の秋田県横手市(採卵鶏)、2例目と3例目の鹿児島県出水市(同)、4例目の兵庫県姫路市(同)、5例目の熊本県南関町(肉用鶏)、6例目の千葉県市川市(宮内庁新浜鴨場、アヒル・アイガモ)、7例目の埼玉県美里町(採卵鶏)、8例目の広島県福山市(同)に次いで8県・9例目。青森県での発生は平成28年以来5年ぶりとなる。
移動制限区域を解除
HPAI発生農場の防疫措置完了から21日間、異常がなかったため、鹿児島県は12月8日、秋田県は12月12日、兵庫県は12月14日に半径3km以内の移動制限区域を解除した。他県もこのまま順調に推移すると、熊本県と千葉県は12月27日、埼玉県は1月2日、広島県は1月3日、青森県は1月5日に解除する予定。
農研機構動物衛生研究部門は、これまでに秋田県と鹿児島県(3例目)でH5N8亜型、鹿児島県(2例目)と兵庫県、熊本県、千葉県、埼玉県、広島県、青森県の事例でH5N1亜型のウイルスを確認している。
特に今シーズンは、H5N1亜型のHPAIが韓国の家きん(ウズラ、肉用アヒル、種アヒル、ブロイラー、採卵鶏)で発生しているほか、欧州でも多くの国の家きんで発生している(アイルランド、イタリア、英国、スイス、スウェーデン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガルなど)。
農畜産業振興機構の海外情報によると、欧州各国ではHPAIの感染拡大を防ぐため、家きん類の放し飼いを規制しているとのことで、オランダは10月下旬に家きん類の屋内飼育を最初に義務化した。英国も11月29日に放し飼いの採卵鶏を含むすべての家きんの屋内飼育を義務付けた。