需要に見合った生産体制構築 JA全農たまごが2度目の要請
平成31年の東京M基準値初市相場は100円/㌔でスタートしましたが、取引先の皆様のご協力もあり、5回の上伸を経て1月末には145円となりました。しかし、標準取引価格が安定基準価格を下回っていることから2月1日に成鶏更新・空舎延長事業が発動しました。2月19日に上伸し155円となりましたが、前年の同時期と比較すると40円安の相場となっております。
需給バランスを保ち、鶏卵の生産基盤を維持するため、引き続き計画的生産に取り組んでいただきますよう、1月11日に続き、ご依頼申し上げます。
1、生産環境
平成30年(1~12月累計)の全国のえ付け羽数は、前年比103.4%となり、5年連続で前年を上回る結果となりました。東日本、西日本ともに前年を上回っていることから生産量は、全国的に増加基調が続くことが予測されます。ただし、平成30年12月のえ付け羽数は、東日本、西日本ともに前年を下回りました。ひなの導入計画を見直し、え付け羽数の実績が継続的に前年を下回ることも、需給に見合った生産体制構築には必要です。
2、相場動向
1月は初市相場の安値を受けて、テーブルエッグの荷動きが活発化し、相場上伸の要因となりました。しかし、安値が小売り市場に浸透したことにより、1月下旬からテーブルエッグの荷動きも一服し、2月はもちあいの展開が続きました。また、年末年始における換羽誘導などの生産調整からの産卵復帰も目立っており、供給量も増加傾向となっています。このような状況下で、依然として標準取引価格が安定基準価格(163円)を下回る状況が続いており、このままの需給環境であれば、今後も相場の低迷は避けられません。
3、需要に見合った生産について
図で確認できる通り、需給失調を引き起こすような生産量増大は、相場低迷を招いています。一方で、2月1日付の(一社)日本養鶏協会からの要請文でも記述されていましたが、飼料価格は高止まりし、資材や輸送費、人件費などの生産コストは上昇の一途です。弊社も1月11日付文書にてご依頼申し上げましたが、皆様の安定した経営が可能となる環境を実現するには、自主的に稼働羽数を抑制していただき、販売量に連動した計画的な生産が不可欠です。鶏卵業界の維持・発展のため、需要に見合った生産体制の構築に、引き続きご協力お願い申し上げます。