本社新社屋が竣工 JA全農たまご
JA全農たまご㈱(小島勝社長―本社・東京)は2月19日、かねて新宿区中落合の旧本社跡地に建設を進めていた本社新社屋が竣工したことから、竣工式と、JAグループ関係者向けの内覧・竣工披露祝賀会を開いた。
新社屋は、敷地面積1268平方メートル、延床面積2133平方メートル。鉄骨造り4階建てで、障害者専用駐車場、ハンディキャップトイレなどを備えたバリアフリー構造。2018年11月に旧社屋の解体工事を始め、19年3月から新社屋の建設を開始。今年1月に竣工した。
1階には、たまご製品の試作や料理教室ができるガラス張りのキッチンスタジオ、会議室、書庫などがあり、エントランスには同社の案内や来客へのメッセージ、卵の魅力や楽しさの情報、「たまごニコニコ大作戦!!」など業界で取り組む消費拡大活動の動画も表示できる、タッチパネル式の大型モニターを設置。
2階は東日本営業本部の第1と第2営業部の約70人、3階は経営企画本部と監査室の約30人、4階は管理本部と法務・コンプライアンス本部の約40人が入居する。
エントランスとエレベーターホールの天井には、卵型のライトを配置し、壁面には同社の液卵工場から出た卵殻を再利用したエッグウォールやエッグタイルを導入。北側の外壁には、同社のシンボルマークの卵をデザインした白いアルミパネルを設置している。社員の能力発揮や交流活性化、働き方改革に向け、休養室や個室風の作業テーブル、部門を超えた打ち合わせができる開放的なミーティングスペースなどを設けると同時に、社員の健康増進のため、階段には最寄りの西武新宿線下落合駅や、やや遠い高田馬場駅まで歩いた時に消費できるカロリーなどを表示。社屋の正面には、近隣の保育園の散歩コースになっていることや、地域とのつながりに配慮し、屋外歩廊とポケットパーク、成長するとドングリがなる木を植えた。
竣工式には同社の役職員らが出席し、開運の社として知られる地元の新宿下落合氷川神社の神職が神事を執り行なった。
同社役職員は、既存の神田コープビル(東京都千代田区)からすべての本社業務を移し、2月25日から新本社で業務を開始している。
竣工披露祝賀会で小島社長は、新社屋が関係各位の協力で無事に完成したことに謝意を表した上で「弊社は昭和24(1949)年に全販連の東京鶏卵荷捌所という形で設置され、現在の全農が発足した72年に現所在地に移ってきた。翌年、名称を全農中央鶏卵センターとし、84年には量販店への販売を中心業務とする全農鶏卵株式会社が発足。平成17(2005)年6月にJA全農たまご株式会社を設立し、同年8月に全農鶏卵と合併する形で全農のすべての鶏卵販売事業を継承して現在に至っている。
旧本社社屋は手狭な部分もあり、お客様にもご不便をおかけした。とりわけ社員が働きやすい環境を整えるためには、構造上難しいところもあり、鶏卵販売のリーディングカンパニーとして、事業をより力強く発展させるためにも、事業の中枢機能を備える本社を新たに建設することとした。
本社設立15周年を迎え、創業の地とも言えるこの場所に新社屋を建設できたことは、会社を代表する者として非常に感慨深く思っている。歴史を築いてこられた諸先輩方に敬意と感謝の意を表するとともに、『お客様に対し〝新鮮 美味 安心〟な商品と高品質なサービスを提供することを通して、生産者さらには国内鶏卵産業の発展と、日本の「食」と「農」の充実に貢献します』との経営理念の精神にのっとり、引き続き皆様のご期待に応えられるよう、役員、社員一同、精進していく決意を新たにしている」とあいさつした。
全国農業協同組合連合会(全農)の齊藤良樹常務理事が祝辞を述べ、「JAグループの鶏卵事業の司令塔として、さらなる挑戦を続けてほしい」と激励した。建設に携わった㈱JA設計の鷹野尚志社長と、㈱フジタの喜田克英常務執行役員東日本支社長に感謝状を贈呈。小島社長と齊藤常務、鷹野社長、喜田支社長による鏡開きに次いで、JA全農たまごの初代社長を務めた都能正紀氏の発声で乾杯。陶山徹常務取締役法務・コンプライアンス本部長の三本締めで竣工を祝った。