日本食鳥協会 認定小規模食鳥処理場のHACCP手引書案を示す 厚労省技術検討会
厚生労働省は1月16日、第10回「食品衛生管理に関する技術検討会」(座長=五十君靜信東京農大教授、委員10人)を東京都港区赤坂のTKP赤坂駅カンファレンスセンターで開き、各業種に関連する業界団体が策定した「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書」案などを検討した。
昨年6月に公布された改正食品衛生法で、「HACCPに基づく衛生管理」か、事業規模の小ささや製造工程の特徴などから、HACCPの7原則を要件とした管理が困難または不要な業種に適用される「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が、来年6月(1年間の猶予期間を含めると2021年6月)までに、すべての「食品等事業者」に義務付けられる。このため、食品関連の各業界団体は現在、行政や専門家らと協議しながら、手引書などの作成を進めているもの。
同日の検討会では、①小規模な旅館・ホテル②しょうゆ加工品製造③外食チェーン、ミネラルウォーター④認定小規模食鳥処理場――の各業種に、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を導入するための手引書案を協議した。
このうち、「認定小規模食鳥処理場のためのHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書」案については、(一社)日本食鳥協会の鈴木稔専務理事と、大阪府立大学大学院の向本雅郁教授(獣医感染症学)が出席し、主に鈴木専務理事から食鳥産業の概要や規模などを紹介したうえで、関連事業者や専門家らが協力して作成した手引書案の対象と内容、普及に向けた課題(ほとんどの認定小規模食鳥処理場が同協会に加入していないため、自治体の担当部局などからの普及促進も必要とみられること)などを説明した。
同手引書案は、手引書の対象や目的を説明した章のほか、「2.基本的な衛生管理」「3.危害要因とその管理方法」「4.計画・記録・振り返り」「5.様式集(記入例付き)」の各章で構成されている。
このうち「3.危害要因とその管理方法」では、一般的な食鳥処理の工程図(フローダイヤグラム)や、危害要因の分析結果表などが示され、食鳥処理(中抜き法、外はぎ法)の冷却工程(危害要因は「病原微生物の汚染・増殖」、管理手段は「殺菌剤を適切に使用する。適切な温度・時間で冷却する」)を重要管理点(CCP)としている。
出席委員からは、「分析結果表は不要かもしれない」「と体受け入れから始まる場合の食鳥肉処理では、と体の受け入れを重要管理点にすべきではないか」などの意見が出された。