「奥久慈しゃも」鶏肉で初めて地理的表示登録 農水省
農林水産省は12月27日、茨城県の「奥久慈しゃも」など4品を地理的表示(GI)の産品として登録した。
地理的表示(GI)保護制度は、地域で長年育まれた特別な生産方法によって高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を、品質の基準とともに国に登録し、知的財産として保護するもの。地理的表示法(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)に基づき、2015(平成27)年12月から69品を登録してきた。
今回、新たに登録されたのは鳥取県の「大山ブロッコリー」(登録番号第70号)、茨城県の「奥久慈しゃも」(同第71号)、鳥取県の「こおげ花御所柿」(同72号)、岩手県・青森県・秋田県の「浄法寺漆」(同73号)の4品。
「奥久慈しゃも」は(農)奥久慈しゃも生産組合(益子実津雄代表理事―茨城県久慈郡大子町袋田3721)が申請したもので、鶏肉関係の登録は初めて。
「奥久慈しゃも」は、茨城県内で系統選抜された軍鶏のオスと、名古屋種とロードアイランドレッド種を交配した交雑種のメスを交配して作出した地鶏で、肉質については①身が良く締まっている②肉汁が豊富③脂肪が非常に少ない④歯ごたえがある⑤鶏特有の臭みがほとんどない――などの特性がある。
古くから茨城県の県北地域で飼育されてきた軍鶏種を系統選抜し、昭和50年代に交配様式を確立。昭和60年に生産・販売を本格的に開始した。飼育日数はオスが最低110日以上、メスが同130日以上。1平方メートル当たりの飼養密度は10羽以下(28日齢以降)。生産地は大子町、常陸大宮市、常陸太田市、高萩市で、地域の生産者が茨城県の協力や実需者の助言を得て、低カロリーの専用飼料と良質な水を給与しながら、長期間かけて飼育する独自の生産方法を確立した。生産羽数は約5万1000羽(平成29年度末)となっている。