日卵協が衛生管理手引書案を示す 鶏卵選別包装・液卵製造施設
厚生労働省は2月22日、第11回「食品衛生管理に関する技術検討会」(座長=五十君靜信東京農大教授、委員10人)を東京都港区のTKP赤坂駅カンファレンスセンターで開き、食品関連業界の各団体が策定した「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書」案などを検討した。
昨年6月に公布された改正食品衛生法で、「HACCPに基づく衛生管理」か、事業規模の小ささや製造工程の特徴などから、HACCPの7原則を要件とした管理が困難または不要な業種に適用される「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が、来年6月(1年間の猶予期間を含めると2021年6月)までに、すべての「食品等事業者」に義務付けられる。このうち「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」については、食品関連の各業界団体が行政や専門家らと協議しながら、手引書などの作成を進めている。
同日の検討会では、①エキス調味料の製造②食品添加物(ガス)の製造③小規模な総菜製造工場④鶏卵選別包装施設・液卵製造施設――の各業種の手引書案を協議した。
このうち、「鶏卵選別包装施設・液卵製造施設」の手引書案については、(一社)日本卵業協会の庄司幸男専務理事と、JA全農たまご㈱法務・コンプライアンス本部品質保証部の安藤一夫部長、キユーピータマゴ㈱管理本部品質保証部の今村信次部長が出席し、庄司専務理事から鶏卵GPセンターや液卵工場の概要を紹介したうえで、会員の関連事業者らが協力して作成した手引書案を説明した。同手引書案は、衛生管理の〝見える化〟や危害要因などについて説明したうえで、鶏卵の選別包装施設と液卵製造施設に分けて、対象業種や一般衛生管理の内容、手順書の作成例などを紹介している。
出席委員や厚労省の担当者からは、「『原料卵受入チェック記録』の表などに、よく起こりそうな問題の具体的な記入例を追記した方が良いのでは」「参考資料として示した鶏卵選別包装施設の危害要因分析表に分かりにくい部分があるため不要ではないか」「実際にHACCPによる衛生管理をする事業者のために、危害要因分析表は適切な表現に直して生かしたほうが良いのではないか」などの意見が出されたほか、数か所について文言の加除や修正が必要と指摘され、再検討することにした。今後、できあがった手引書は、同検討会での最終確認を経て、各地での研修会やホームページを通じて、普及を図っていく予定。