斃死鶏ナビ『レイヤーウォッチャー』を開発 東西産業貿易

AI画像解析と自動走行ロボットで働き方改革を支援

「レイヤーウォッチャー」の自動走行ロボット

最大5段ケージまで対応できる

東西産業貿易㈱(原口悟社長―本社・東京都文京区)は、AI画像解析技術と自動走行ロボット技術を組み合わせた斃死鶏ナビゲーションシステム『Layer Watcher(レイヤーウォッチャー)』を開発し、販売を開始した。

毎日の斃死鶏の除去作業を効率化する同システムの仕組みは以下の通り。

早朝、無人の鶏舎内で自動走行ロボットが全ケージを自動撮影。撮影された画像はそのまま同ロボットによってAI解析され、斃死の疑いがある場所を示すデータとして事務所内のパソコンへ自動送信される。作業者は同データを利用することにより、ピンポイントで斃死鶏を除去できるという。

東西産業貿易は3年前から大手生産者の農場でフィールドテストを重ねており、現在、同システムが検知する斃死の疑い場所は、実際に斃死がある場所のほぼすべてをカバーするとの結果を得ている。特に、集卵を停滞させるなどの大きな損害をもたらす集卵ベルト上の斃死は100%の検知精度を誇るとのこと。

自動走行ロボットが撮影した映像㊤をAI解析し、弊紙の疑いがある場所を示すデータ㊦に変換

データは事務所内のパソコンに自動送信される

機能面では、①鶏舎内の集卵コンベアなど走行を妨げる設備を自動回避でき、最大5段ケージまで対応可能②作業前に事務所内のパソコンで斃死の疑い場所を動画チェックできる――など、同システムならではの特長も備えている。

導入効果については、現在稼働中の農場で斃死鶏の除去作業に要する時間が従来の5分の1に短縮されたとのデータが得られたほか、下段部や上段部のチェック回数が大幅に減ることで作業者の身体的な負担が軽減されるなど、作業環境の改善にもつながっている。

同システムにおけるAIを駆使した画像解析技術について、東西産業貿易では㈱コンピュータシステム研究所(略称・CST)の全面的な開発協力を得ている。CSTは高精度な画像解析技術が求められるセキュリティ市場において実績・定評のある企業で、これまでにOEMを含む多くの製品を手掛けている。東西産業貿易は今後も各分野の有力企業とも連携しながら、スマート農業に向けた製品づくりを継続し、全国の各養鶏場が進める働き方改革に貢献していくことを方針としている。

問い合わせは東西産業貿易機械事業部(電03-3815-3133)へ。