採卵鶏用飼料の原料の半分「米」使用の製法特許取得 全農 水田の活用促進に貢献も

JA全農は6月28日、採卵鶏用配合飼料原料の半分を占める穀類(トウモロコシなど)を、すべて米を使用する技術で製法特許を取得したと公表した(特許第7076112号)。

採卵鶏には歯ないが消化能力が高く、生の丸粒の米も消化できるため、配合飼料原料の穀類をすべて米にしても鶏の栄養面では問題ないことが知られていた。しかし、現代のシステム化された鶏舎で穀類をすべて米に置き換えた飼料を使うと、卵黄の色や卵殻の硬さにバラツキが出たり、飼料が給餌機械の中で詰まりやすくなるなど、実用上の問題が発生することが分かっていた。

JA全農とJA全農北日本くみあい飼料㈱は、鶏卵生産に用いる配合飼料の穀類をすべて米に置き換えても、これらの問題が起きにくくなる技術を開発。令和2年7月9日に特許を出願し、その新規性と進歩性が認められ、令和4年5月19日付で特許を取得したもの。

この技術によって、養鶏飼料の穀類として使用されている輸入トウモロコシなどを国産米に置き換えることが可能となり、畜産物の自給率向上や水田の活用促進につながることが期待されている。

JA全農北日本くみあい飼料は、すでにこの技術を活用して製造した採卵鶏用配合飼料を東北地域の生産者に供給。生産した卵はJA全農たまご㈱が関東地域で販売している。

JA全農は国産農畜産物を応援する取り組みとして、他の地域でもこの技術で製造した採卵鶏用配合飼料の普及拡大に取り組むとしている。