愛知県が県費支援を増額 鶏卵生産者経営安定対策
10万羽分まで対象に
愛知県(大村秀章知事)は令和3年度予算で同県の「鶏卵価格安定対策事業」の予算額を、1882万円(前年度比82%増)に拡充した。政府の「鶏卵生産者経営安定対策事業」の鶏卵価格差補てん事業の積立金と成鶏更新・空舎延長事業の協力金の生産者負担の一部を、知事の指定を受けた団体を通じて補助するもので、補助金対象羽数の上限が4万羽から10万羽(それ以上の規模加入者でも10万羽分までが補助金対象羽数として認められる)に引き上げられるとともに、価格差補てんの積立金補助単価をキロ当たり38.1銭(同11%増)に引き上げた。協力金補助単価は1.9銭で据え置き。
同県では、旧全日本卵価安定基金と全国基金が実施していた卵価基金事業の参加者積立金に対し、補助単価1.5円などの水準で補助していたが、平成に入ると自治体の財政問題などから縮小されてきたとのこと。
ただ、平成24年12月に基金事業が現在の鶏卵生産者経営安定対策事業に再編され、両基金が日本養鶏協会に吸収合併されたことを契機に、公的な法人格を持つ(一社)愛知県養鶏協会を設立し、行政への支援要請を積極的に行なった結果、平成29年度には4万羽を上限に積立金補助単価34.2銭、協力金補助単価1.9銭まで回復した。
近年は、齋藤利明現理事長と県内の若手養鶏家が中心となって、新型コロナウイルスの影響や飼料価格の高騰など極めて厳しい現況の説明や、県養鶏産業の未来に向けた陳情を継続してきた結果、今年度の改定が実現したもの。
さらに今年度からは、10万羽以上契約者への補助金上限額を策定するに当たり、加入者が個別経営内容に合った契約数量が算出できるように設定された月間1羽当たり生産キログラム数を活用して、経営安定対策事業の規定に沿って月間1.2キロ(年間14.4キロ)から1.5キロ(同18キロ)まで4段階の区分を活かした加入者ごとの上限額が設定される方式に変更された。