家きん疾病小委、異例の緊急提言「消毒などの徹底対策を」

家きん疾病小委員会は、11月24日に「香川県の高病原性鳥インフルエンザの続発状況を踏まえた緊急提言」を示した。概要は次の通り。

1.過去の海外の事例では、限定されたエリアにおける短期間での続発について、多くの渡り鳥の飛来のほか、人、機材、車両などによる農場間の伝播、長期間の防疫措置による環境中のウイルス量の増加などの様々な要因により、発生した可能性がある旨が報告されている。

2.今回の香川県での続発事例でも、これまでの疫学調査チームの現地調査により小型野生動物の侵入、人・物などの疫学関連による伝播の可能性が指摘されているほか、環境的な要因としてため池などの地理的状況から、野鳥の集団が持ち込んだウイルスの量が環境中で高まっていること、また、養鶏密集地域で環境中のウイルス量が増大していったことなどが想定される。

3.以上を踏まえれば香川県での3~8例目は、1例目の発生農場を中心に半径3kmの区域に設定された移動制限区域内で発生しており、移動制限区域内ではウイルス量が増大していることを念頭に行動することが重要である。

4.具体的には、①農場での早期通報②家きん舎壁の隙間を塞ぐなどの小型野生動物の侵入防止③家きん舎ごとの手袋と長靴の交換などの飼養衛生管理の徹底④畜舎周りの消毒⑤関連事業者も協力して行なう資材・機材消毒⑥地域での車両消毒、ため池周辺や発生農場周囲の主要道路などの消毒、野鳥対策など――について地域の関係者が一体となった取り組みを徹底して行なうことが必要である。

5.また、防疫措置についても、防疫指針に基づいて焼埋却、消毒などの措置を迅速かつ確実に実行していくことが必要である。

6.一刻も早く防疫措置を完了し、続発を防ぐために、4と5について国、県、市町村と養鶏業者だけでなく、関連事業者、地域住民が一体となった取り組みを実施することを提言する。

7.また、今後の疫学調査の中で、侵入と感染拡大要因について情報収集・検証を進め、防疫対策に活用していくことが重要である。

8.なお、今シーズンの高病原性鳥インフルエンザについては、海外でも発生が続き、国内の野鳥でも相次いでウイルスが確認されていることから、全国的にも、例年よりも感染リスクが高い状況にあることを意識し、引き続き、飼養衛生管理を徹底し、さらなる警戒に努める必要がある。