卵価、200円台まで回復 食鳥は1000円台の高水準を維持
1月の鶏卵相場(全農たまご・東京M基準)の月間平均は142円にとどまったが、2月に入ると、4日に5円、9日に15円、16日と18日に各10円上昇して200円をつけている。各地のM基準も同様に上昇し、大阪は210円、名古屋は200円、福岡は205円にまで上昇している。
流通関係者によると、10都道府県で3月7日まで延長されている再度の緊急事態宣言により、小売り向けの家庭用需要は5~10%程度の増加が続いているものの、業務・加工用需要が約3割程度減少している状況は変わっていない。
ただ、2月の上昇は、首都圏の採卵鶏農場で相次ぐHPAI発生により、成鶏の被害羽数は茨城で約79.6万羽、千葉で約419.7万羽となり、移動制限なども加わって荷物が集まりにくくなったことや、大手ファストフードチェーンの春のキャンペーンを控えて消費が高まることが期待されることなどが影響したもの。関係者によると、もう1回上昇場面が期待できる可能性もあるかもしれないとしているが、今後は、緊急事態宣言の解除と、鳥インフルの状況に注視していく必要がある。
家庭用仕向けが多い国産鶏肉は、巣ごもり需要に支えられ、昨年12月後半から、相場(日経東京・正肉加重)は、もも、むね合計で1000円を超える高水準が続いている。鳥インフルエンザや緊急事態宣言の動向によって需給の状況は変わる心配があるものの、当面は引き続き高水準での相場推移が見込まれている。