前年比0.3%減の約263万トン 令和2年の鶏卵生産量

6年ぶり減、4年連続260万トン超

農林水産省は3月24日、令和2年の鶏卵生産量が前年比0.3%減の263万2882トンになったと発表した。4年連続で260万トンを超え、史上2番目に多い生産量となったが、6年ぶりに前年を下回った。県別の生産量は1位茨城県、2位鹿児島県、3位千葉県。

鶏卵生産量の推移(令和2年)

3月9日に公表した令和2年(1~12月)の鶏卵流通統計調査結果によると、月別の生産量が前年同月を上回ったのは2月、3月、4月。

地域別の生産量は、北海道10万2151トン(前年比0.7%減)、東北36万8805トン(前年並み)、北陸14万3348トン(前年比2.4%増)、関東・東山66万3450トン(同1.2%減)、東海34万7638トン(同0.9%減)、近畿14万2908トン(同4.5%増)、中国32万10トン(同1.2%減)、四国13万620トン(同0.6%減)、九州39万7084トン(同0.2%増)、沖縄1万6868トン(同2.9%減)で、東北、北陸、近畿、九州で前年を上回った。

鶏卵生産量の先行指標となるひなえ付け羽数(全国推定値)は令和元年が前年比4.1%減、令和2年が1.2%増。令和2年の成鶏用配合飼料の生産量は前年比0.7%減、出荷量は0.7%減。育すう用の生産量は前年並みで、出荷量は0.1%減だった。

新型コロナで鶏卵需給が失調

昨年の鶏卵相場(JA全農たまご・東京M)は初市160円でスタートし、新型コロナウイルスの感染拡大による〝巣ごもり需要〟の増大で一時は200円を超えて推移したが、4月に緊急事態宣言が出され、宣言解除後も密集・密閉空間を避ける行動などが引き続き求められたことから、業務・外食需要が大幅に減退。5月18日に成鶏更新・空舎延長事業が発動され、9月23日に終了する(処理は10月23日)までに1000万羽超が同事業に参加したとみられるが、生産量は前年比0.3%減にとどまり、4年連続で260万トンを超えた。

県別の生産量は、①茨城県23万2686トン(前年比0.7%減)②鹿児島県19万21トン(同1.2%増)③千葉県15万6998トン(同5.7%減)④広島県14万323トン(同3.6%増)⑤岡山県12万7841トン(同6.3%減)⑥栃木県10万5387トン(同1.5%減)⑦青森県10万4399トン(同0.8%減)⑧愛知県10万4192トン(同0.5%減)⑨北海道10万2151トン(同0.7%減)⑩兵庫県9万9434トン(同12.2%増)⑪三重県9万4914トン(同4.6%減)⑫新潟県9万3286トン(同6.7%増)⑬群馬県8万9829トン(同5.8%増)⑭香川県8万5736トン(同2.8%増)⑮岩手県7万8728トン(同1.4%減)――の順で多かった。

県別のシェアでは、生産量1位の茨城県は全体の8.8%、2位の鹿児島県は7.2%、3位の千葉県は6.0%などで、上位5県のシェアは32.2%(前年32.6%)、上位10県では51.8%(同52.3%)、上位15県では68.6%(同68.3%)となった。

令和2年~令和元年の県別鶏卵生産量