令和元年の鶏卵生産量 前年比0.5%増の約264万トン

5年連続で増加 上位10道県で全体の52.3%

農林水産省は3月9日、令和元年の鶏卵生産量が前年比0.5%増の263万9733トンになったと発表した。3年連続で260万トンを超え、過去最高を更新したが、年前半に懸念された大幅な増産にはならなかった。県別の生産量は1位茨城県、2位鹿児島県、3位千葉県。

3月9日に公表した令和元年(平成31年1月~令和元年12月)の鶏卵流通統計調査結果によると、月別の生産量が前年同月を上回ったのは1月、2月、4月、7月、8月、10月。

地域別の生産量は、北海道10万2885トン(前年比0.4%減)、東北36万8718トン(同4.1%減)、北陸14万36トン(同0.7%減)、関東・東山67万1477トン(同3.6%増)、東海35万838トン(同0.7%増)、近畿13万6803トン(同6.6%減)、中国32万3966トン(同4.6%増)、四国13万1368トン(同1.4%減)、九州39万6274トン(同0.4%増)、沖縄1万7368トン(同6.2%減)で、関東・東山、東海、中国、九州で前年を上回った。

鶏卵生産量の先行指標となるひなえ付け羽数(全国推計値)は平成30年が前年比3.4%増、令和元年が同4.1%減、令和元年の成鶏用配合飼料の生産量は同0.4%増、出荷量は同0.3%減だった。

生産抑制や天災で大幅な増産は回避

昨年は、前年来の生産過剰基調を反映し、鶏卵相場(東京M基準)は初市100円でスタートして前年同月を下回る展開が続いたが、生産者の自主的な生産抑制に加えて成鶏更新・空舎延長事業が2回にわたり発動(2月1日~3月31日、5月20日~9月2日)したことや、年後半に、台風や豪雨災害が産地を襲ったことなどが影響し、鶏卵生産量は5年連続で増加したものの、当初懸念されていた270万トン前後などの大幅な増産にはならなかったとみられる(年間相場は173円に低迷)。

県別の生産量は、①茨城県23万4209トン(前年比4.4%増)②鹿児島県18万7797トン(同3.2%増)③千葉県16万6471トン(同0.8%減)④岡山県13万6443トン(同5.0%増)⑤広島県13万5443トン(同4.4%増)⑥栃木県10万7030トン(同13.5%増)⑦青森県10万5236トン(同1.8%減)⑧愛知県10万4732トン(同3.1%減)⑨北海道10万2885トン(同0.4%減)⑩三重県9万9440トン(同2.2%増)⑪兵庫県8万8611トン(同5.4%減)⑫新潟県8万7422トン(同3.2%減)⑬群馬県8万4897トン(同2.9%増)⑭香川県8万3372トン(同2.3%減)⑮岩手県7万9882トン(同4.9%減)――の順で多く、19県で前年を上回った。

生産量の伸び率では、鳥取県(同21.7%増)、栃木県(同13.5%増)、石川県(同8.5%増)、熊本県(同5.1%増)、佐賀県(同5.0%増)、岡山県(同5.0%増)が5%以上増えた。

県別のシェアでは、生産量1位の茨城県は全体の8.9%、2位の鹿児島県は7.1%、3位の千葉県は6.3%などで、上位5県のシェアは32.6%(前年31.7%)、上位10県では52.3%(同51.1%)、上位15県では68.3%(同67.7%)となった。

鶏卵生産量の推移

令和元年~平成30年の県別鶏卵生産量