「不当な取引条件を課さない」 農水省が新型コロナ対応で通知

農林水産省は3月2日、「食品等取扱い事業者における新型コロナウイルス感染症への対応について」を食料産業局長、生産局長などの連名で関係団体などに通知した。

厚生労働省のQ&Aで「食品取扱者の体調管理やこまめな手洗い等の一般的な衛生管理が実施されていれば、食品を介した感染を心配する必要はない」とされていることを紹介。そのうえで①一般衛生管理などを十分に行なう②個別の事案ごとに事業継続などについて判断し、判断に迷う場合には保健所に相談する③取引先に不当な取引条件を課さない――ことを求めている。

3月6日には「畜産関係者に係る新型コロナウイルス感染症への対応について」を生産局長名で関係団体などに通知。

「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を踏まえ、畜産関係者に対して①換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に行くことを避け、手洗い(手指の消毒)、咳エチケット、家屋も含めた閉鎖空間の定期的な換気、手で触れる場所の定期的な消毒などの感染防止対策を行なう。作業前に体温を確認するなど、通常以上に健康管理に留意する②生産者団体と関連団体は、①について、関係車両の運転手など日常的に畜産農家に出入りする者も含めて周知・徹底する③農場などへの部外者の立ち入りを最小限にする④イベントの開催は規模の大小にかかわらず、開催の必要性について検討するとともに、開催する場合には、風通しの悪い空間をなるべく作らないなど、実施方法を工夫する⑤万が一、従業員などが新型コロナウイルスに感染した場合には、速やかに所属組合や勤務先などに連絡するとともに、保健所などの指示に従い従業員などの感染拡大を防止する――ことの徹底を求めている。

生産者団体や関連業界に対しては、事業の継続について①畜産農家が新型コロナウイルスに感染した場合を想定し、地方自治体などとも連携して生産現場の速やかな消毒、代替要員の確保など、営農の継続に向けた体制を構築する②関係車両の運転手などが新型コロナウイルスに感染した場合を想定し、地方自治体、運送会社などとも連携して二次感染を防止するよう、速やかな連絡体制を構築するとともに、生産者の営農や集乳などが滞らないよう、代替要員の確保などの体制を構築する③関連業界の従事者が新型コロナウイルスに感染した場合にも、可能な限り事業が継続できるよう体制の構築を検討する――としている。

飼料関係者に対しては、飼料製造・供給の継続について①家畜の飼養に必須となる飼料の供給を担っていることから、従事者が新型コロナウイルスに感染した場合にも可能な限り事業が継続できるよう、他社との製造受委託関係の強化も含め体制の構築を検討する②飼料配送車の運転手が新型コロナウイルスに感染した場合を想定し、運送会社などとも連携して二次感染を防止するよう、速やかな連絡体制を構築するとともに、飼料供給が滞らないよう代替手段の確保などの体制を構築すること――としている。