フランスでオンライン畜産展示会 イタリア・ファッコ社など出展

養豚・養鶏関係のバーチャル展示会場

ファッコ社のバーチャルブース

イタリア・ファッコ社(マッシモ・フィンコ社長―本社・同国パドヴァ)は9月29、30の両日、フランスの畜産メディアが初めて開催したオンライン畜産展示会「ELO ELEVAGE」に出展した。

フランス市場に向け、平飼いシステムの『Libera(リベラ)』シリーズを中心に紹介。バーチャルブースでは、各製品の解説動画や、オリジナルの企業紹介動画などを放映し、ダウンロード可能なカタログも用意。チャット(会話)ルームでは、スタッフが質問や商談を受け付けていた。

地域マネージャーのフランシスコ・ロヴァさんによると、米国や欧州各国と同様に、フランスではスーパーマーケットや卵のディーラーなどが5年後(2025年)までにケージ卵の取り扱いをやめると宣言し、新たに導入される生産システムは、すべて平飼いなどのケージフリーシステムになっているという。

国際鶏卵委員会(IEC)統計による同国の昨年の飼養システム別羽数割合は、平飼いが12%、放し飼いが23%、オーガニックが11%で、ケージが54%を占めているが、直近では平飼いなどへの移行が加速しているとのこと。

このため、欧州各国や米国へのリベラの導入実績は、ここ数年間で数百万羽分に達し、ファッコ社も研究を進めて「リベラ デック」や「リベラ カーサ」、今年発売した「エボ L」「エボ C」などの新製品を開発し、現在は全5種類の平飼いシステムで、国や生産者ごとに異なるニーズに対応しているという。

このほか、養鶏関係では機器メーカーのルービンやチョアタイム、床面移動ロボットのティボー、育種関係ではヘンドリックス・ジェネティックス、栄養・衛生関係ではケミン、エボニック、MSDなどの国際的な畜産関連企業が出展した。

展示会の名称「ELO ELEVAGE」のELOは展示会のブランド名で、フランス人が発音する「こんにちは」(Hello)に近い響きになる。ELEVAGEは仏語で「飼育」や「育種」(breeding)の意。会場は牛・豚関係も含めて全体で3ホールに分かれ、約60社・団体が出展。ウェブ会議やセミナーも多数開かれた。

ファッコSPAの営業部門取締役のオルランド・ペルッツォ氏は、「コロナ禍により、世界中で人と人とのコミュニケーションの取り方に変化が生じている」と強調。「2021年は、おそらく世界中の養鶏業界において対面の展示会が行なわれる可能性が低い中、ファッコ社では『鶏舎管理のデジタル化とリモート管理―新しい時代の鶏舎管理とアフターサービス』というテーマでウェビナーの第2弾を予定している」とのことだ。