スープ工場の建設へ 十文字チキンカンパニーと丸善食品工業が業務提携

立地協定書に署名した遠藤市長㊧と十文字社長㊨

鶏肉インテ大手の㈱十文字チキンカンパニー(十文字保雄社長―本社・岩手県二戸市石切所字火行塚25)と、自然素材にこだわった調味料を製造販売する丸善食品工業㈱(竹本博則社長―本社・東京都板橋区成増1-30-13)のジョイントベンチャー「㈱十文字丸善スープ」は8月1日、久慈工場(久慈市小久慈町63-16-1)に隣接するスープ工場の建設に向け、久慈市と企業立地協定を結んだ。

久慈工場から発生する新鮮な鶏ガラを主原料に、スープ、エキス、オイルなどの加工品を製造する計画で、操業開始は2020年7月の予定。

同プロジェクトは、農林中央金庫が2016年秋に、取引先金融機関が共通する両社を引き合わせたことがきっかけでスタートしたもの。両社の強みをマッチングすることで、新たな事業を創出し、東日本大震災で大きな被害を受けた久慈市の復興や、地域の農林水産業の一層の成長産業化を図る。

㈱十文字丸善スープは、今年4月13日付で設立。資本金は8500万円。十文字チキンカンパニーが66%、丸善食品工業が34%を出資し、十文字保雄氏が社長、竹本博則氏が副社長に就任した。

新工場の総事業費は約23億円で、経済産業省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」を受ける見通し。敷地面積は6148平方メートル、工場建物は鉄骨造り2階建て、延べ床面積2535平方メートルとし、来年4月に着工する予定。

従業員は地元から24人雇用し、製品の販売は丸善食品工業が担う。

8月1日には久慈市役所で「立地協定書調印式」が行なわれ、遠藤譲一久慈市長と十文字社長が協定書に署名した。十文字チキンカンパニーでは「新鮮な原料を新鮮なうちに加工し、付加価値の高い商品をお届けすること、また東日本大震災により大きな被害を受けた久慈市の復興はもとより、地元雇用の受け皿としても、地域に貢献していく」と述べている。