コロナ禍の傾向続くが変化の兆しも 9月の販売動向
スーパーは自粛緩和の影響出ると予測
(一社)全国スーパーマーケット協会など食品スーパー3団体(270社・8301店)の9月総売上高は前年同月比1.2%増(既存店ベース)の9735億5222万円で、コロナ禍前(前々年同月)との比較では1.9%増となった。
9月は感染拡大への警戒から、家飲みや家庭内消費需要が堅調。総菜は前年同月比4.9%増(前々年同月比5.0%増)の1019億6889万円、畜産品は1.2%増(6.8%増)の1137億4638万円、卵を含む日配品は1.5%増(4.1%増)の1979億232万円となった。
3団体は「この堅調さが景気判断に結びついていないのは、(純粋な)消費増だけでなく、食品価格の上昇によるところが大きい。10月以降は自粛緩和の影響も予想され、難しいかじ取りが求められる」と報告。
食肉や卵の販売状況については「内食需要は高水準だが肉類は国産、輸入品ともに価格が上昇して販促を打ちにくい。卵には回復傾向がみられた。焼き鳥は堅調。揚げ物は好調」としている。
生協好調も宅配の農産品は前年割れ
日本生協連の全国65主要地域生協の9月総供給高(売上高)は前年同月比1.6%増(前々年同月比11.5%増)の2447億500万円となった。
このうち宅配は1.6%増(15.6%増)の1605億3800万円。店舗販売は1.5%増(5.0%増)の790億1700万円。引き続き店舗での総菜や宅配の冷凍食品・菓子が好調だが、宅配の農産品は前年割れした。
大手チェーンは中食需要で総菜など好調
日本チェーンストア協会は、9月の大手チェーンストア総販売額(会員56社・1万1855店)について前年同月比3.2%増(既存店ベース)の1兆510億696万円と発表した。
食料品は4.8%増の7504億1370万円で、うち畜産品は3.2%増の872億517万円、総菜は11.1%増の988億8911万円。ただ前月(21年8月)との比較では順に6.6%減、5.6%減、7.0%減と落ちている。
鶏肉と卵の動きは良く、焼き鳥屋や揚げ物も好調。残暑の時期だが関東などでは上旬に雨や涼しい日もあり、鍋つゆ、おでんセットの動きは良かったという。
コンビニも巣ごもり需要を得て微増に
コンビニ7社(5万5949店)で組織する(一社)日本フランチャイズチェーン協会は、9月の売上高(既存店ベース)が前年同月比0.6%増の8786億6600万円になったと報告した。来客数は3.8%減。巣ごもり需要で温かい調理麺、デザート、菓子類、酒類が好調に推移した。
外食8.2%減
(一社)日本フードサービス協会の9月外食市場調査(全店ベース/3万6354店)では、全体の売上高は前年同月比8.2%減で、前々年同月比は21.7%減。キャンペーンによる客数増加もみられた洋風ファストフードの売上高は前年同月比15.7%増(前々年同月比19.8%増)、同和風1.3%減(8.3%減)、居酒屋83.2%減(91.4%減)、ファミリーレストラン24.6%減(40.0%減)。