カロリーベースは微増の38% 令和元年度食料自給率

鶏卵96%、鶏肉64%は変わらず

農林水産省が8月5日に公表した令和元年度のカロリーベース(供給熱量ベース)の総合食料自給率は、前年度より1ポイント上昇し38%となった。飼料自給率は前年度並みの25%、カロリーベースの食料国産率(飼料自給率を反映しない)は前年度より1ポイント上昇し47%となった。

食料自給率は、国内で消費する食料を、国内生産でどの程度まかなっているかを示す指標。

令和元年度の総合食料自給率は、カロリーベースではサンマやサバなどの魚介類の不漁や米の消費量が減少した一方、小麦の単収が増加したことなどから、前年度より1ポイント上昇し38%となった。

生産額ベースでは、豚肉などの国産単価が上昇した一方、野菜の生産量が増えて国産単価が下落し、サンマやサバなどの魚介類が不漁となったなどから、前年度並みの66%となった。

また、令和元年度から「食料国産率」も公表した。これは今年3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」で位置付けられたもので、日本の畜産業が輸入飼料を多く用いて高品質な畜産物を生産している実態に着目し、日本の食料安全保障の状況を評価する総合食料自給率とともに、飼料が国産か輸入かにかかわらず、畜産業の活動を反映して国内生産の状況を評価する指標。総合食料自給率が飼料自給率を反映しているのに対し、食料国産率は飼料自給率を反映せずに算出している。カロリーベースの食料国産率は前年度より1ポイント上昇し47%、生産額ベースの食料国産率は前年度並みの69%であった。

主要農産物の自給率の推移は表の通り。

令和元年度の鶏卵の国内生産量は264万トン(前年度比0.4%増)、輸入量は11万3000トン(同0.9%減)、輸出量は1万トン(同42.9%増)で、国内消費仕向量は274万3000トン(同0.2%増)。この結果、鶏卵の自給率は前年度と同じ96%となった。

令和元年度の鶏肉の国内生産量は163万3000トン(同2.1%増)、輸入量は91万5000トン(同1.0%増)、輸出量は9000トン(同10.0%減)で、在庫の2000トンを除いた国内消費仕向量は253万7000トン(同1.0%増)。この結果、鶏肉の自給率は前年度と同じ64%となった。

このほかの自給率は、牛肉は前年度より1ポイント下落し35%、豚肉は前年度より1ポイント上昇し49%、牛乳・乳製品は前年度と同じ59%、魚介類は前年度より3ポイント下落し52%となった。

飼料自給率を考慮した自給率(カロリーベース)は、牛肉は前年度より1ポイント下落し9%となったが、ほかは前年度と同じで肉類7%、豚肉6%、鶏肉8%。鶏卵12%、牛乳・乳製品25%であった。