日本は339個で2位 前年より2個増加 1人当たり鶏卵消費量 

2022年各国データ IEC報告より HPAIが世界の鶏卵消費量に影響

国際鶏卵委員会(IEC)は、各国のレポーターが報告した2022年次の統計数値をまとめて会員向けに公表した。概要を順次掲載する。今回は鶏卵消費量。

鶏卵消費量

各国から報告された2022年の1人当たり年間鶏卵消費量(殻付換算、家庭・業務・外食を含む)を、本紙で一括集計してまとめたものが上表。

1位のメキシコは前年比17個減の392個。同国では高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)発生の影響により、22年の採卵鶏飼養羽数は前年より約1.5%減少したと報じられ、1人当たり消費量は前年から約4.2%減少したが、ランキング1位を維持している。

2位の日本は2個増の339個。22年はHPAIの発生により採卵鶏は1~5月に約75万羽、10月から12月にかけて約680万羽(22年2月1日現在の農水省統計によるコマーシャル成鶏めす飼養羽数の約5.5%)が殺処分されたものの、20~21年シーズンの被害羽数約810万羽に比べると少なかった。同省統計による22年の鶏卵生産量は前年より2万2470トン多い259万6725トン、殻付換算の鶏卵輸入量は8054トン多い11万9279トン、殻付卵の輸出量は8591トン多い3万547トンとなり、国内供給量は前年より約2万2000トン増加したと試算される。IECに報告されている22年の日本の人口は、前年より30万人少ない1億2510万人、平均卵重は63グラム。仮に前述の通り試算した供給量を人口で割り、平均卵重でさらに割ると、加工卵の輸出量を加味しておらず、細かな端数や歩留まりなどの定数に違いがあるとみられるが、IECの報告値に近い値が得られる。

3位のアルゼンチンは24個増の322個。17個減で4位になったコロンビアとともに、両国はこの約20年間で1人当たり年間消費量を150個前後増加させている。

米国は6個減の279個。同国ではHPAI発生により、22年12月27日までに採卵鶏が約4330万羽殺処分された。12月末時点の採卵鶏飼養羽数は前年より約2500万羽(約7.5%)少なかったと推定されるが、輸出が前年より1億6560万ダース(約42%)減っており、国内の1人当たり消費量は2%強の減少にとどまっている。

18位の韓国は40個減の230個。同国は国際獣疫事務局(WOAH、OIE)に、H5N8亜型による20年11月以降の家禽の殺処分羽数を約1024万羽、H5N1亜型による21年11月以降の同羽数を約880万羽と報告している。予防的殺処分も行なっているため、21年秋までの時点で採卵鶏を総羽数の26%に相当する1670万羽殺処分したと報じられている。

消費量が増加した国は11か国、減少した国は20か国。21年と22年の数値がある31か国の合計は、前年より126個(平均4個)減少した。IEC加盟国の鶏卵消費量は2014年から20年まで、右肩上がりの増加傾向で推移していたが、21年と22年は2年連続で前年を下回った。

米国のデイビッド・スウェイン博士は今春のIEC会議での講演の中で、2020年7月から23年1月までのHPAIによる世界の家禽の総殺処分羽数は約2億6800万羽に上ったと解説しており、一昨年来の世界的なHPAIの発生が、各国の鶏卵供給量と消費量にも大きな影響を及ぼしているとみられる。