IB生「科飼研」JPⅢ 抗原変異株「QX-like型」にも有効と発表 全農と科飼研開発のIB生ワクチン
JA全農家畜衛生研究所は、昨年10月に㈱科学飼料研究所とともに製品化した鶏伝染性気管支炎(IB)生ワクチン『IB生「科飼研」JPⅢ』について、IBウイルスの抗原変異株「QX-like型」の対策にも有効と発表した。
IBウイルスは様々な抗原変異株が存在するため、地域や自農場の流行に合ったワクチン接種が必要とされる。JA全農家畜衛生研究所によると、国内ではJPⅢ型の検出割合が近年増加傾向だが、一方でアジアや欧州で流行しているQX-like型の国内浸潤が懸念されていた。同研究所の調査により、国内養鶏場からQX-like型が初めて分離され、このウイルス株は近年の中国や韓国の流行株と遺伝的に近縁であることも分かった。さらに遺伝子解析により、IBウイルスの抗原性の決定に重要なスパイク遺伝子が、QX-like型とJPⅢ型は比較的類似していることも明らかとなった。
そこでQX-like型への有効な対策を見いだそうと『IB生「科飼研」JPⅢ』を用いた動物試験を行なったところ、同ワクチンが国内で分離したQX-like型に対して高い有効性を示すことが確認されたという。
同研究所では「新たに国内に侵入したQX-like型はいまだ不明な点が多く警戒が必要であるが、JPⅢワクチンが対策に有効と分かった。今後も調査を進め、IB対策に活用できる情報を提供したい」としている。
今回の研究成果は9月6~8日の『第165回日本獣医学会学術集会』でも発表された。
『IB生「科飼研」JPⅢ』は飲水・点眼・散霧の各方法で投与できることも特徴。問い合わせは発売元の科学飼料研究所動薬部販売企画課(電027-347-3223)へ。