<連載コラム企画>たまご知識普及会議のたまごと戦略(第2話) たまご知識普及のためのPR戦略
キユーピータマゴ株式会社
五ツ星タマリエ
児玉 大介
●たまごに関する情報に対するニーズは、「二極化」
様々な関連情報を収集・編集し、消費者に有益な情報に仕上げ、メディアを通して広く伝えるのがPR活動。たまご知識普及会議の活動を通して、私は「五ツ星タマリエ」として、メディアからの取材を受ける機会が何度かありました。
メディアへの情報発信や取材の中で見えてきたのが、メディアから求められる情報が「二極化」していること。
一方は、「たまごの最新トレンド」を紹介するための「時節に即した情報」。もう一方は、我々たまご業界の人間なら当然知っている「たまごの常識に関する情報」です。驚くことに、後者に対するメディア需要のほうが高い結果となりました。具体的には、どういったものなのか、実際にメディアから取材を受けた切り口をもとにご紹介します。
●身近なコンビニから広がる「たまごの最新トレンド」
トレンド情報は、まさに今の時流に沿ったものが中心となっています。例えば、コンビニ各社では、たまごを主役とした商品やたまご好きが喜ぶ商品ラインアップを揃えています。また、渋谷の新名所「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」では、たまご料理専門店が2店舗同時オープンするなど、身近なところからトレンドスポットまで、「新しいたまごの楽しみ方」に注目が集まるといった内容が挙げられます。
●「たまごの常識」が消費者の興味を引く
実は、メディアの方が最も興味を持ってくださったのは、「ゆでたまご」に関する情報です。
ゆでたまごは誰でも簡単に作れるたまご料理ですが、うまく殻が剥けないという悩みがよく見られます。解決する方法として「賞味期限に近いたまごは殻が剥きやすい」「ゆでたまごに適したたまごのサイズがある」といった情報をお伝えしました。するとメディアの担当者からは、「ゆでたまごは簡単に作れると思われるが意外と難しい。サイズによって適したたまご料理がある・賞味期限に近い方が殻が剥きやすくなるということは、知らない人も多い。消費者にとってメリットがある情報だ」という評価をいただきました。
●「業界の当たり前」の中に潜む「価値ある情報」
これらの情報の価値は、メディアからの取材を受ける機会がなければ、当たり前だと見逃してしまっていたかもしれません。
我々だけでは持てない新たな視点を、メディアという第三者を通して見出すこと。PR活動を行う中で、「たまごの魅力」を消費者へ本当に伝えるための、「価値ある情報」に気がつくことができたのです。
【次回11月5日号掲載予定】