アーナーバリー相場は9か月ぶり水準に上昇 米国産の卵への輸出需要も高まる
米国の鶏卵価格の指標とされるアーナーバリー社の中西部ラージサイズ白玉(1ダース=12個)価格は、1月後半に2週連続で上昇し、1月28日には昨年同日より49セント高い1.38ドルまで上昇した。過去3年間の平均と比較しても22セント高く、ロックダウンで卵価が急上昇した昨年4月以来の水準とのこと。
同社のレポートによると、小売り向けの需要が堅調に推移していることに加え、輸出も好調という。生産面も、え付けなどが抑制的に推移していた中で、鶏のローテーションの端境期に入ったことや、昨年末にフロリダ州の農場の火事で産卵前のひなが24万羽失われたことが報じられているが、中西部でも事故があったとのことで、一時的に需給がタイトになっている。
特に小売り面では、新型コロナウイルス感染症対策の行動制限や、厳冬の到来などで巣ごもり需要が強まり、店頭販売用のカートンの不足が続いている。輸出は主要輸出先のメキシコ、香港、プエルトリコなどのほか「高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の影響を受けたあらゆる国からの引き合いが好調」(編集部注…韓国も1月25日に約20トンを緊急輸入したと報じられている)としており、HPAIの発生で日本や欧州を含む鶏卵輸出国の貿易が停止されたことも、米国産卵の需要増につながっているとみられる。