HPAI対策で知事会が緊急要望
全国知事会(会長=飯泉嘉門徳島県知事)は12月15日、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)対策に関する緊急要望をまとめ、農林水産省に提出した。緊急要望の内容は次の7点。
①養鶏農家等への支援=HPAI発生により損害を受けた農家へ家伝法に基づく「手当金」を早期に交付する。ひなの供給が止まった農家をはじめ、鶏卵・鶏肉販売業者や食鳥処理業者など、多額の損失が発生した関係者の経営継続に向けた支援制度を構築する。
②防護資材等の確保=発生県で防護服などの資材が不足しているため、防護資材を国で一括確保・配分し、資材の備蓄を充実する。都道府県が防護資材などを確保・備蓄できるよう特別交付税の対象を拡充する。家畜の死体などを迅速に処分するのに有用な移動式焼却炉やレンダリング装置などの台数の増設と配置場所を拡大し、必要に応じて改良にも対応する。地方で必要量の消石灰や簡易検査キットを確保できるよう国が今後の見通しを示し、メーカーに増産を要請する。
③国による支援強化=家畜の埋却処分で農家個人に国有地を無償で貸し付けできるよう柔軟な対応を検討する。大規模な養鶏場で感染が生じた際に、都道府県で防疫措置に必要な人員を確保できないことも想定されるため、国による支援強化も検討する。
④獣医師の派遣支援=大規模な農場や多数の農場が所在する場合は、防疫措置や発生状況確認検査などで獣医師の不足が想定されるため、必要な獣医師が円滑に派遣されるよう国で万全を期す。
⑤発生原因と感染経路の早期解明=HPAIの発生原因と感染経路の速やかな解明による抜本的な対策を早期に実施する。野鳥検査の採取場所や頻度、検体数を増加させる場合に必要な財政措置を講じ、検査結果を速やかに公表する。
⑥風評被害防止対策=HPAIに関する科学的知見や食品の安全性に関する迅速・的確な情報提供などにより風評被害防止対策を強化する。
⑦感染予防対策への財政支援=農場内のウイルス侵入防止に向け、ネズミなどの野生小動物駆除や防鳥ネットの整備、施設改修・改築などにかかわる十分な予算を確保する。都道府県が実施する各種の防疫措置などの経費に対し、国による財政支援を拡大・拡充する。