内食需要の伸び続く スーパーなどの10月の販売動向
鍋物向けの鶏肉やおでん用商材好調 食品スーパー3団体
(一社)全国スーパーマーケット協会など食品スーパー3団体は、合計270社・8015店舗の10月の総売上高が前年同月比3.6%増(既存店ベース)の9224億2236万円になったと発表した。
畜産品は5.0%増の1130億1783万円で、鶏肉は鍋物向け、牛肉はステーキ・焼き肉用などが週末を中心に好調。国産豚肉は相場高によって伸び悩み、輸入品で対応する店舗も多い。
卵や乳製品、冷凍食品などの日配品は2.6%増の1820億2543万円。おでん用商材やおつまみなどが好調。
米、菓子、調味料などの一般食品は1.9%増の2342億8277万円。総菜は1.6%増の9226億5498万円。
会員からは、GoToトラベルと同イートによる消費者行動の変化を指摘する声もあるが、引き続き食品スーパーへの堅調な需要が続いている。
伸び率鈍化も前年超え続く 日本生協連
日本生活協同組合連合会は、全国65の主要地域生協の10月総供給高(売上高)が前年同月比14.1%増の2413億6100万円で、9か月連続で前年を超えたと報告した。
このうち宅配が20.6%増の1598億8100万円、店舗販売が3.0%増の760億1300万円。同会は10月の特徴として、内食需要による生鮮部門の好調と、供給高の伸びの鈍化傾向を挙げている。
食肉販売が好調、鶏卵はまずまず チェーンストア協
日本チェーンストア協会が公表した10月の大手チェーンストア販売概況(会員56社・1万871店舗)によると、食料品や衣料品、日用品などの総販売額は前年同月比2.8%増(既存店ベース)の1兆486億5828万円となった。
食料品全体は0.7%増の7138億4323万円で、うち畜産品は5.0%増の878億8799万円。牛、豚、鶏肉は好調で、鶏卵とハム・ソーセージはまずまずの動き。
鍋物に使われる大根や白菜、麺類なども好調。焼き鳥の動きは鈍かった。同協会では、テレワークによる内食需要が10月も続いたとみている。
コンビニは苦しい状況続く フランチャイズ協
コンビニエンスストア7社(5万5872店舗)で組織する(一社)日本フランチャイズチェーン協会は10月の売上高(既存店ベース)について、前年同月比4.3%減の8731億7300万円と発表した。
来客数は10.5%減の13億111万3000人で、売上高、来客数ともに8か月連続のマイナス。平均客単価は6.9%増の671円で13か月連続のプラス。
部門別の売上高では、弁当や卵、加工肉、ホットスナック、生菓子などの日配食品が6.2%減。生菓子を除く菓子類や飲料などの加工食品が7.4%減。非食品は6.5%減。
10月は政府支援もあり各指標が改善 フードサービス協
(一社)日本フードサービス協会の10月の外食市場動向調査(新規店含む全店ベース、3万7939店舗)では、外食全体の売上高は前年同月比5.7%減、店舗数2.5%減、客数10.0%減、客単価4.8%増となった。
10月は自粛緩和ムードが出始め、政府からの支援策もあり各指標が改善。ただ、オンライン予約によるGoTo支援策には予約サイトへの登録料と、予約客一人当たりの手数料などが発生するため、同協会では「キャッシュフロー(現金流量)が好転したか否かの判断は現段階ではできない」としている。
業態別ではファストフードの売上高が1.8%増で、このうち洋風は各種キャンーペーンで店内飲食が回復し9.1%増。和風は高単価の季節メニューや新商品が好調で1.4%増。
ファミリーレストランは8.7%減だが、このうち焼き肉は8.7%増と好調。ディナーレストランは20.4%減、喫茶は21.0%減。居酒屋は企業や団体の宴会需要が戻らず33.8%減と、他業態に比べて回復が大幅に遅れている。
おせちとクリスマスケーキの予約好調 日本百貨店協会
(一社)日本百貨店協会は10月の売上高(73社・196店)について、既存店ベースで前年同月比1.7%減の3753億5741万円と発表。食品は6.8%減の1002億2228万円で、うち生鮮食品は4.7%減の196億6726万円、総菜は7.2%減の257億7589万円、菓子は8.4%減の244億4111万円。
物産展や食品催事が支持され、GoToトラベルキャンペーンも集客増につながった。おせちやクリスマスケーキの予約はEC(Eコマース、ネット通販)の普及もあり好調な滑り出し。また、調理用品や家具・家電などの家庭用品が13.9%増と伸びた。