米国が加工卵工場の検査システム変更
「常駐」から「パトロール」方式に
米国農務省食品安全検査局(USDA-FSIS)は9月9日、卵製品(加工卵)の検査方法を改定すると発表した。1970年に「卵製品検査法(EPIA)」が成立してから始めての改定。
改定内容には、FSISの検査員による恒常的な検査を撤廃することも示されており、現地メディアでは検査方式が「常駐」から「パトロール」に変わったと報じられている。これにより、「卵製品検査規制の最終規則(The Egg Products Inspection Regulations final rule)」の規制内容は、食肉や食鳥肉と同様の内容になったとのこと。
発表文書の中で、FSISのポール・キッカー局長は「卵製品の工場に、食肉や食鳥肉と同様の食品安全システムと手順の構築を求める今回の改定は、我々の検査システムの改善において非常に大きな出来事だ」などとコメント。
新ルールの下では、米国連邦政府が検査対象としている卵製品工場はHACCPに基づいたシステムと衛生標準作業手順(SSOPs)の構築・実行が求められるが、それぞれの工場や設備に合わせた食品安全システムを導入できるようになるなど、規制の柔軟性が増し、新しいシステムなども導入しやすくなっているとのこと。
一方で、FSISによるサルモネラとリステリア・モノサイトジェネスの検査は継続する。卵の代替品(植物性由来など)や、フリーズドライの卵製品についても。既存の卵製品と同じ食品安全リスクがあるとして規制対象に加える。
外国産の卵製品の規制についても、「食肉や食鳥肉の規制内容により近い形に再編したため、諸外国に規制の変更を周知していく」としている。