家きん産業は一致団結してCOVID-19を打ち破ろう

エビアジェンCEO ヤン・エンリクセン氏

国際的な育種会社、エビアジェン社のヤン・エンリクセンCEOは7月8日、世界の家きん産業の関係者に「共に同じゴールに向かうことで、家きん産業は現在直面する問題を乗り越えられる」と呼びかけるメッセージを発表した。㈱日本チャンキー(吉田忠司社長―本社・岡山市)の紹介で概要を掲載する。

我々は現在、かつてない時代を経験しています。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は、我々のほとんどが全く想像できなかったやり方で、これまでの生活を大変革させ、世界は劇的に変容しています。

このような中、世界の家きん産業は、人々に手が届くたんぱく源の供給者として、また生命を保つために必要な食品の供給者として、その困難な使命を果たそうとしています。

ひとつ良いニュースがあるとすれば、産業が一丸となって取り組むことで、食品供給網の維持に向け、大きく前進できるということです。

国際的なビジネスコンサルタントで作家のイドウ・コエニカン氏(Idowu Koyenikan)は、かつて「関心を同じくする人々が、同じゴールを目指して団結する時、とてつもない力が生まれる」と書きました。彼はこのような言葉で、我々の成功への道を説いています。

家きん産業と、政府、そして業界団体は、貿易と食品供給網を維持するために、一丸とならなければなりません。

声を上げよう

世界の農家と家きん生産者のために、農産物の貿易や流通を止めないよう、各国・地域の行政や政府に声を届ける必要があります。

エッセンシャルワーカーの保護と感染拡大の防止措置がなされた上で、海上輸送は開かれ続けなければならず、国内のひな輸送も守られる必要があります。

我々の武器は、互いに助け合って産業をより良くしようとする決意だけです。例えば育種会社にとっては、航空貨物のスペースをシェアしたり、ひなの取り扱いをより良くするために、世界中の受け渡しの場所で互いに力を貸すことです。

経営判断ができる立場にいる人や、影響力がある人は、産業の声が国際航空運送協会(IATA)や国際獣疫事務局(OIE)などに伝わるよう、積極的に協力しなければなりません。

我々は一つ

COVID-19は多大な犠牲者を出しており、過小評価することはできません。この疾病に国境はなく、家族や社会をいたる所で破壊しています。健康な生活を副次的に脅かす、様々な問題も引き起こしています。

COVID-19に関する問題は、発展途上国でより大きいものとなっています。食料の備蓄がなければ、飢えと低栄養が、COVID-19やその他の疾病への脆弱性を、さらに引き上げてしまうことになります。

国連はSDGs(持続可能な開発目標)の中で「飢餓をゼロに」と「すべての人に健康と福祉を」との目標を掲げています。これらの目標は、常に我々に関わるものであり、育種産業も同様のビジョンを共有しています。

この使命に向かって、育種会社は初生ひなや種卵を、世界中の生産者に届けていきます。2枚の航空パレットに乗る原種鶏のひなは、各国で繁殖され、1000万ポント(約4.5トン)の鶏肉となって消費者に届けられます。

鶏肉から供給される良質のたんぱく質は、人々の健康的な食事と、強い免疫システムの維持に貢献するものであり、特にこのような危機においては重要なものとなっています。

不幸なことに、感染対策としての国境封鎖やフライトのキャンセル、貿易ルートの制限、国内移動の規制などが、農家に種鶏を届けることを妨げている国や地域があります。このことが、この鶏肉という重要な食料の安定供給に、深刻な悪影響を与えています。パンデミックは今後数か月で終息するとの見込みはなく、国際的な商流が破壊されかねない情勢に、一丸となって解決策を探ることが必須となっています。

United We Stand(団結すれば立つ)

パンデミックに打ち勝つためには、一つの産業として結束することが、かつてなく重要になっています。我々は決定的な瞬間に生きています。今を生きる人々、そして未来の世代のために、我々には産業・政府そして国境を超えて協調できる能力があったことを、歴史が判断するでしょう。