家畜排せつ物の利用促進、基本方針を見直し 農水省

農林水産省の食料・農業・農村政策審議会の畜産部会は3月31日、家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針を見直し、堆肥の利用拡大などに取り組む方針を打ち出した。

基本方針は「酪農および肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」が見直され、肉用牛や酪農生産の生産拡大で増加する家畜排せつ物の利用促進が必要なこと、肥料取締法の改正により堆肥と化学肥料の配合が認められるようになったこと、環境規制へのさらなる対応が必要なこと――などから見直したもの。

堆肥の利用拡大では、耕種農家のニーズに合った完熟堆肥や、化学肥料を配合した堆肥の生産、ペレット化による広域流通や施肥作業の軽減を進めることが重要だとしている。

家畜排せつ物のエネルギー利用の推進では、増頭に伴う排せつ物の処理コスト増を相殺するため、収益性と送電インフラの問題も見極めたうえで、固定価格買取制度などを活用し、エネルギーとしての利用も盛り込んでいる。

畜産環境問題への対応では、家畜排せつ物の適切な処理は事業者の責務であるとの意識の浸透や、悪臭低減に有効な適切な堆肥化の推進、汚水処理や脱臭のための先進的な施設・機械を整備することが重要であるとしている。