昭和産業が業績概況などで会見
中期経営計画20-22策定
昭和産業㈱(新妻一彦社長-本社・東京都千代田区内神田2-2-1)は2月6日、東京都千代田区丸の内の日本工業倶楽部で食品関係19専門紙誌と会見し、新妻社長が2020年3月期第3四半期の決算概況と『中期経営計画17-19』の進捗状況・新『中期経営計画20-22』の概要を明らかにするとともに、各事業部門担当者が原料、製粉、油脂、糖質、食品、飼料畜産の概況などを説明した。
会見には新妻社長のほか、太田隆行取締役専務執行役員、山口龍也同常務執行役員、国領順二同常務執行役員、荒川謹亮執行役員油脂部長、駒井孝哉同製粉部長、塚越英行同糖質部長、鈴木雄一食品部長、阿部健太郎飼料畜産部長、伊藤大祐原料部長、水本康崇海外事業部長、小山征信経営企画部長、戸田明宏営業企画部長、久慈貴也経営企画部コーポレート・コミュニケーション室長、陶山真吾営業企画部次長らが出席した。
同社は「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」との経営理念のもとに、取り扱う小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの穀物を基盤に、製粉・食用油・ブドウ糖・各種食品や飼料などの製造・販売を行ない、全方位からお客様の多様なニーズに応えてきており、創立90周年に当たる2025年の、ありたい姿・目標となる長期ビジョン『SHOWA Next Stage For 2025』を策定。その実現に向けて3年間の中期計画を3次にわたり展開している。
新妻社長は、第1ステージの『中期計画17-19』では「足場固めを基本方針に、収益基盤の強化を目標にしてきたが、着実な成果が出てきた」として、基本戦略である①基盤事業の強化②事業領域の拡大③社会的課題解決への貢献④プラットフォームの再構築⑤ステークホルダーエンゲージメントの強化――の施策の取り組みを紹介。そのうえで「最終年度となる2020年3月期第3四半期の決算は、連結売上高が1931億5300万円(前年同期比0.8%減)、経常利益89億9500万円(5.7%増)となり、2020年3月期予想は売上高2610億円(17-19目標値達成率100.4%)、経常利益100億円(同87.0%)で、経常利益は過去最高予測となるものの、物流費や人件費、エネルギーコストなどの上昇の影響により、目標値(115億円)に届かない見込み」とした。
第2ステージとなる新『中期経営計画20-22』については「収益基盤の確立のステージと位置付け、〝SHOWA New Value Creation~SHOWAだからできる新たな価値とは~〟を基本コンセプトに、5つの基本戦略をさらに深めて基盤事業の盤石化と成長事業の育成を図る」として主な方針・戦略を詳述し、2022年度の目標を「連結売上高2800億円、連結経常利益130億円、ROE9.0%以上、配当性向30%程度」に設定していることを明らかにした。
原料部、製粉部、油脂部、糖質部、食品部、飼料畜産部の概況説明が行なわれ、飼料畜産情勢を報告した阿部飼料畜産部長は、国内の配合飼料生産や畜産物価格、最近の畜産動向などを説明するとともに、①国産飼料原料(カロリーベース)100%のこだわり卵『和のしずく』や、国産飼料米を使った『お米のちからプラス』などの鶏卵事業を通して地域農業活性化と食料自給率向上に貢献していること②東京家政大学の学生との産学連携によって、卵を使った新しいレシピの考案とパッケージへの掲載、卵に関する商品開発やアイデアプレゼンなどの勉強会を行ない、未来の食を担う学生つくりに取り組んでいること③昨年4月から、栃木県那須塩原市にある飼料畜産部の飼料技術センターを、昭和産業全社の研究・開発・生産拠点であるRD&Eセンター(千葉県船橋市)内の基盤技術研究所に移し、飼料畜産科学研究室として再スタートさせたことによって、未利用原料の飼料原料化の研究や畜産物加工の顧客への提案が進んでいること④昭和産業が2017年10月に、台湾の大成集団と業務提携し、製粉事業の拡大に取り組んできたが、昨年11月には新たに大成集団グループの製粉事業を展開する「國成麺粉股份有限公司」と、飼料事業(鶏卵)を展開する「中一食品股份有限公司」に出資参入したが、飼料畜産部では、「中一食品股份有限公司」(本社・台南市)の鶏卵製造における衛生面・品質管理面での向上に貢献することで、台湾での販売強化につなげていきたい――などとした。
会場では、世界初の天ぷら粉を発売した昭和産業の新商品『おいしく揚がる魔法の天ぷら粉』などの天ぷら粉シリーズ、同社初の『餃子向け小麦粉』などを使った料理の試食に加え、グループ会社の昭和鶏卵㈱もブランド卵などを紹介した。