改良増殖目標の骨子案示す 農政審・畜産部会
農林水産省は1月30日、食料・農業・農村政策審議会の畜産部会を開いた。
酪農・肉用牛については、生産の近代化を図るための基本方針案を示し、海外市場を含め拡大が見込まれる需要にこたえる生産基盤の強化と、次世代に継承できる持続的な生産基盤の創造を目指す仕組みなどについて議論。農水省では2月に骨子案、3月に見直し案をそれぞれ畜産部会で説明して協議。4月に新たな基本方針を公表するとともに、都道府県への説明と、都道府県計画の作成依頼、関係者への啓発と関連情報の提供を行なっていく予定。
また、向こう10年の新たな家畜と鶏の改良増殖目標(第11次改良増殖目標)の骨子案のポイントも示した。省力的な飼養環境下でも高い生産性を発揮する一方、国内外の消費者ニーズに応えつつ、生産基盤の強化に役立つ内容として年度内の策定を目指す。
この中で、国産鶏の改良増殖の主なポイントとして『能力に関する目標』では、
①卵用鶏については、「卵重量」は、消費者ニーズを踏まえながら「幅を持たせた目標値」を設定する。
②肉用鶏のブロイラーについては、能力の目標数値に、これまでは参考として掲げられていた「出荷日齢」にかかわる指標を追加し、昨今の出荷日数の短縮状況を踏まえて目標値(49日→45日)を設定する。地鶏などの生産に素材鶏として必要となる在来品種の改良・増殖などについては、引き続き(独)家畜改良センターと都道府県の連携により実施する。
『能力向上に資する取り組み』では、
①改良手法として、農研機構で新たに確立された遺伝資源保存技術などを活用して鶏の改良増殖の基盤強化を図る。
②飼養・衛生管理では、「飼料用米で飼養した鶏の糞を米農家に還元するなど、SDGs(持続可能な開発目標)に配慮した取り組みについて、JAS制度を活用したPRを検討」するほか、「飼養管理」「家畜衛生」「労働安全」「アニマルウェルフェア」などの取り組みをGAP手法によって推進する。
さらに今後、専門研究会や部会で、おいしさなどに関する指標を示すことについても検討を進めることにしている。