農場のカンピロ対策、優良事例種を作成へ 農林水産省
農林水産省は11月6日、「食品の安全性に関するリスク管理検討会」を開き、鶏肉中のカンピロバクター汚染低減に向けた取り組みの進ちょく状況や、ノロウイルスの汚染低減防止に向けた今後の取り組み、野菜の衛生管理指針の改訂、化学物質の経口摂取量推定ガイドラインについて意見交換した。
鶏肉中のカンピロバクター汚染低減に向けた取り組みの進ちょく状況については、鶏群の食中毒菌の汚染低減に有効な衛生対策の措置内容を検証するため、肉用鶏農場で①バイオセキュリティの強化(鶏舎内の動線管理)=長靴を交換する場所と、交換後に歩く場所を決めて飼養管理することによる鶏への食中毒菌感染防止効果を検証②中抜き出荷時の衛生対策強化=中抜き出荷時に捕鳥を行なう作業者の衛生対策を強化することによる汚染低減効果を検証③農場内出荷順の管理=農場内でカンピロバクター陰性の鶏群から順に出荷することによる食鳥処理時の交差汚染低減効果を検証――をテーマに調査を実施していることが事務局から報告された。
同省では、肉用鶏農場への食中毒菌の侵入・まん延防止を目的に「鶏肉の生産衛生管理ハンドブック」を策定し、生産者や獣医師などへの普及を図っているが、飲用水管理の徹底や、家畜保健衛生所と食中毒菌の低減に尽力した先進的取り組みなど、同ハンドブックに掲載されている対策に積極的に取り組む生産加工事業者の優良事例集を、今年度末までにまとめて公表する予定。同ハンドブックとともに、衛生対策を普及するためのツールとして活用する。