供給過多に危機感 JA全農たまご「需要に見合った生産体制構築」を再度依頼
JA全農たまご(小島勝社長―本社・東京都千代田区)は8月30日付で鶏卵生産者や関係先などに「需要に見合った生産体制構築のお願い(再依頼)」を発信した。内容は次の通り。
8月は気温の上昇に伴う需要の減退やお盆期間の業務筋休業等の影響で滞貨玉の増大が懸念されましたが、生産者の皆様のご協力もあり、全農たまご東京相場Mサイズ基準値はもちあいを継続することができました。
ただし、8月のMサイズ基準値平均は150円/キロ、昨年比で22円/キロ安と低水準となっており、5月20日に発動した成鶏更新・空舎延長事業は長期間に及んでおります。現時点で鶏卵相場は上昇基調となっており、解除が近づいている情勢となっておりますが、生産状況によっては今年度中での再発動の可能性も含む見通しとなっております。
繰り返しとなりますが、需給バランスを保ち、鶏卵の生産基盤を維持するため、引き続き需要に見合った計画的生産に取り組んでいただきますよう、下記の通りご依頼申し上げます。
1,生産環境
2019年1~6月累計の全国え付け羽数は、前年比94.3%とこれまで続いた増羽傾向に変化がみえます。
しかし、昨年まで5年間連続でえ付け羽数が増加基調だったことから、今年の稼働羽数も前年を上回る見込みで、供給量増加は継続することが予測されます。
2,相場動向
7月下旬から気温が上昇し、サイズによっては強含みの展開もみられましたが、需要が減退する中で、Mサイズ以下は積極的な生産調整の貢献もあって、辛うじてもちあいの展開となりました。今後は需要面で好材料も予測されますが、再び供給量が増加に転じれば、需要期であっても弱含みの展開となることも考えられます。
3,需要に見合った生産について
昨年度にもご依頼申し上げましたが、皆様の安定した経営が可能となる環境を実現するには、自主的に稼働羽数を抑制していただき、販売量に連動した計画的生産が不可欠です。皆様のご協力があって、ゴールデンウイークやお盆休暇は、懸念されていたような需給失調を起こさず済みました。今後についても、鶏卵業界の維持・発展のため、需要に見合った生産体制の構築に引き続きご協力をお願い申し上げます。