卵価145~150円に上昇 先行きは依然、予断許さず

鶏卵相場(JA全農たまごM加重)は1月22日から30日にかけて、各地で計25円ずつ上昇し、名古屋150円、東京・大阪・福岡145円となった。初市からは各地とも45円の上昇となったが、前半が安かったため、月間平均は東京121円、大阪と福岡119円、名古屋126円にとどまった。

多くの生産者が滞貨玉の多さや、初市相場の低迷を受けて、換羽誘導を中心とした生産調整を進めたほか、販売面では低水準の卸値が大手スーパーやドラッグストアでの1パック100円以下の特売などの急拡大につながり、販売数量が増えたことから、年末年始の滞貨玉の解消は進んだ。

ただ、生産調整は主に通常の淘汰や換羽によるもので、2月には再び産み始める鶏群が増えてくるとみられるが、処理場も手一杯で、成鶏の淘汰を大幅に進めることは難しい情勢。販売面でも、外食・中食業界ではプロモーション企画や目立った新商品がそれほど多くなく、加工筋も、これまでのタイトな需給環境下で定期購入の割合を高めてきたため、スポット購入の動きは鈍い。テーブルエッグについても、相場上昇や好調な売れ行きの反動減がいずれブレーキとなって現れてくる懸念が指摘されており、2月以降の春相場の情勢については依然、予断を許さない状況が続いている。

各地の養鶏家からは、「現在の相場水準では飼料代にもならない」「先が全く見通せない」などの悲鳴が聞かれており、流通・外食需要の拡大と減羽などによる生産調整の両輪による需給安定に向けた対応が、引き続き喫緊の課題となっている。