ブラジルのスト 輸入鶏肉に影響

ブラジルのトラック業界が5月21日から、燃料価格の急上昇を理由に大規模なストライキを約10日間にわたり実施し、同国が世界に輸出している多くの商品作物や畜産物の物流が途絶。ブラジル産鶏肉の生産や大豆の輸出にも多大な影響が出ている。

5月30日付のロイター通信によると、政府が軽油購入に補助金を出すことに合意したことなどから、ストライキは終息に向かっているとのこと。ただ、物流が止まったことによる経済活動や市民生活への打撃は非常に大きく、復旧には、なお時間がかかる見通し。

同国の農業団体によると、農家の損害額はこれまでに約17億6000万ドルに達し、特にブロイラーは飼料供給が間に合わず、カニバリズムが始まる前に約7000万羽を淘汰処理し、と体の廃棄場所を探している状況という。

業界団体の試算では、アジアや中東向けに12万トン分の鶏肉が輸出できなかったとみられ、今後、鶏肉不足が日本を含め世界のブラジル産鶏肉輸入国で起きると懸念されることから、卸売価格はすでに上昇し始めている。