約237万羽の増羽意向 全国鶏卵需給調整協議会
農林水産省・食肉鶏卵課は3月10日、同省で全国ブロイラー需給調整会議と全国鶏卵需給調整協議会を開いた。17年度出荷計画羽数が前年度を2.1%上回るブロイラーについては、家庭消費に加え、加工や外食・中食需要に対応した取り組みを行なうことが重要だとした。行政指導による計画生産が廃止され、生産者の主体的判断に基づく生産に移行した鶏卵について農水省は、過去6年間の平均的な卵価である14年度(172円)と同水準を目指す場合は、17年度の生産は前年度比2%程度の増産が必要で、最も高かった11年度(200円)水準を目指す場合は、逆に2%程度の減産が必要――との、生産者が判断する基となる指針案を示した。
農水省が全国の5万羽以上の生産者を対象に実施した、今後1年から2年間の生産意向調査結果によると、回答した689件、1億600万羽の意向は、現状維持が66%、未定が18%、増産が12%、減産4%。差し引き237万5千羽の増羽意向で、成鶏めす羽数を約1億5,000万~6,000万羽とみると、約2%近い増産意向といえる。農水省によると羽数では大、中、小規模ともほぼ同程度の増羽意向になっているとのこと。
農水省が示した17年度の鶏卵生産指針案は、過去6年間の平均的な卵価である14年度と同じ価格水準を目指す場合は、17年度の生産は前年度比2%程度の増産が必要で、最も高かった11年度水準を目指す場合は、逆に2%程度の減産が必要――と、増産を促す内容も盛り込まれている。
ただ、生産者の調査では、すでに2%近い増産意向が示されていることからすると、これ以上の増産があった場合は、卵価の下落を招くことになるいえる。
農水省では、全国会議での意見などを参考に、3月末に生産指針を示すことにしている。