年初から成鶏更新・空舎延長事業発動
年明けの鶏卵相場(東京・M加重)は、年末から70円落ちの160円でスタートしたが、年末年始の滞貨玉も少なく、成鶏更新・空舎延長事業の発動などもあり中旬には反発。大阪で16日に165円、東京で17日に170円をつけた。当面は200円を目指し徐々に上昇するとみられている。
年明けの標準取引価格(JA全農たまごの東京と大阪の各サイズ加重平均から日本養鶏協会で算出)は、成鶏更新・空舎延長事業の安定基準価格(158円)を下回る156円となったため、年初から事業発動となり、昨年12月8日以降に出荷された成鶏が対象になった。60日以上の空舎期間を設けた飼養羽数10万羽未満の中小生産者に1羽200円、10万羽以上の大規模生産者に1羽150円、処理を受け入れた成鶏処理場に1羽17.4円の奨励金が交付される。16日に大阪の相場が10円上昇して標準取引価格も159円となったため、同事業は停止した。
年末年始の鶏卵需給は、強い寒波による産卵減や成鶏の淘汰があった一方、洋菓子やおでんなどの加工需要が例年より活発だったため、滞貨玉は少なかった。1月中旬には連休に合わせたスーパーの特売も増え、相場は上昇した。年末年始の相場上昇時に輸入殻付卵が手当てたようだが、国産卵の加工需要は一定の水準を保っている。
当面、鶏卵相場は徐々に上昇していくとみられるが、洋菓子関係の需要が一服するため「200円を超える力はないのでは」との見方が多い。
年明け食鳥相場は830円近くまで下落
低調に推移した平成24年の食鳥相場(日経・東京・正肉加重)は、11月末にようやく、もも・むね合計で800円台に乗せ、年末は860円台にまで回復するなど、久ブルに活況を呈した。
年明けは870円からスタートしたが、年末の反動からか、1月19日現在の相場は、もも肉620円、むね肉216円の836円に下落している。飲食店を中心とする業務筋や、大手スーパーの売れ行きもあまりパッとしないようで、当面は大きな下げはないものの、弱含みで推移するのではないかとみられる。