鈴鹿ポートリーの鶏糞肥料工場見学会 全鶏会議
全国養鶏経営者会議(略称・全鶏会議、会長=梅原正一㈱菜の花エッグ社長)は、6月12日に㈲鈴鹿ポートリー(近藤博信社長―三重県鈴鹿市)の鶏糞肥料工場共同見学会を開いた。
約6万羽の成鶏と約2万羽の育成鶏をウインドレス鶏舎で飼育している鈴鹿ポートリーでは、中部エコテック㈱製の密閉縦型発酵装置を活用して高窒素鶏糞肥料の製造に取り組んでいる。今年2月の全国農業経営者研究大会養鶏分科会での近藤社長の講演内容に対する会員の反響が大きかったことから、国際養鶏養豚総合展(IPPS)の開催に合わせて見学会を開いたもので、全国から会員ら約50人が参加した。
見学会では、近藤社長が高窒素鶏糞肥料の製造工程を説明し、参加者はペレットマシーンや乾燥機などを見学した。
鶏糞肥料で利益を上げるポイントについて、近藤社長は①肥料の主成分の窒素、リン酸、カリの化成肥料はいずれも供給不足で輸入に頼っているが、円安で高騰している②「窒素4%以上・リン酸3%以上・カリ2%以上」で成分管理した鶏糞肥料20キログラムは、「硫安4キログラム・過リン酸石灰4キログラム・硫酸カリ1キログラム」の化学肥料20キログラムと同じ肥料価値がある。化学肥料20キログラムの販売価格は900円のため、窒素4%以上の高窒素鶏糞を500円で販売しても決しておかしくない③高窒素鶏糞肥料を製造するには、製造中の高温処理と含水率を低くすることが重要。また耕種農家が使いやすいようにペレット加工などが大事④普通肥料の登録を取得し、苦土(マグネシウム)などの普通肥料と配合して製品化するのも有効である――などと強調した。
【高窒素鶏糞肥料の製造工程を説明する近藤社長】