平成27年度ブロイラー出荷計画は1.4%増 全国推計は約6億7000万羽 日本食鳥協会主要産地協議会

主要3県(鹿児島、宮崎、岩手)とその周辺県の平成27年度の生産計画は、上期(4~9月)は前年同期比1.5%増の2億2999万7000羽、下期(10~3月)は1.4%増の2億3908万羽で、年度合計は前年度比1.4%増の4億6907万7000羽。
県別の生産計画は、鹿児島県とその周辺県は2.3%増の1億3276万9000羽、宮崎県とその周辺県は0.6%増の1億4545万9000羽、岩手県とその周辺県は1.5%増の1億9084万9000羽。
日本食鳥協会が実施している毎月のブロイラー生産・処理動向調査から推計すると、今回の主要産地の生産シェアは全国の約70%であるため、27年度の全国の生産羽数は、26年度の約6億6054万4000羽(推定)を1.4%上回る6億7011万羽前後と試算できる。
主要産地協議会の冒頭、阿部繁之議長(㈱阿部繁孝商店社長)は「今冬は寒い日が続いたため、どうなるかと心配していたが、地域的には大雪の被害があったところもあるものの、私の地域では1月に入ると暖かくなり、今では雪がなくなっている。ブロイラーの生産成績は、ひな、暖かさ、飼料のいずれなのか理由はよく分からないが、思ったよりも体重が乗っており、3.2~3.3キログラムの鶏が出始めている。近年はもも肉とむね肉の歩留まりの差がどんどん開いており、現在はもも肉46対むね肉54となっている。ここ数年はむね肉相場が堅調に推移して助かっているため、このまま続いてほしいと思っている」などとあいさつした。
佐藤実会長は「国内の食鳥産業は好調に推移しており、長年の苦しい状況には戻りたくないと思うのは当然であるが、協会としては今の良い状況を、さらにどう発展させていくかについても考えていきたい。
今の生産基盤では年間出荷6億5000~6000万羽くらいが限界だと思うが、このタイミングで主要産地の方々には生産基盤の強化について検討をお願いしたい。ただ1企業が農場、食鳥処理場、鶏糞処理場に対して投資するのは簡単なことではないため、今後に向けては共同企業体で運営するかたちを模索できないかと考えている。
国内の生産量がある程度増えるにつれて需要も増えればよいが、それほど簡単ではない。国内需要への対応と、海外への輸出を両輪にして運営できないかと思っている。主要産地の皆さんも、今の状況を何とか維持してほしいという守りの姿勢ではなく、新たな攻めができる体制を考えていただきたい」と述べたほか、国産チキンのシンボルマークの活用を呼びかけた。
出席した各インテの代表者から報告された各地の情勢要旨は次の通り。
鹿児島県=中びな、大びなとも足りない状況で、作れないと断っている▽販売面ではもも肉がひっ迫した状況。生産面では、1月くらいまではPSも含め良い成績であったが、1~2月になって大腸菌症などが出て、農家によっては体重の差が大きくなっている。
宮崎県=昨年11月以降、体重の乗りが悪く、3キログラムを切る状態が続いている。羽数では計画通りだが、重量では計画を下回る可能性がある▽平成19年、23年に宮崎で発生した鳥インフルエンザで、移動制限区域に入った処理場は1か月近く稼働できなかったが、今回は農水省や関係各位の力添えで処理場、農家、販売先に迷惑をかけないようなルールに改正され、本当によかったと思っている▽今年に入ってから2~3週齢で少し管理を失敗すると大腸菌症が出て、投薬しても成績が持ち直せないロットが結構出ている。2.5~3.3キログラムのバラツキのあるロットが出て処理がやりにくい▽木質バイオマス発電のおかげで、敷料のオガクズの価格が高騰しており、来期に向けて不安材料となっている。
岩手県(青森県・北海道を含む)=今年度は坪羽数を多くしているが、27年度も多いままの計画になっている▽坪羽数を0.5羽増やして1日当たりの処理羽数を4000羽増産したが、今の農場ではこれ以上は無理▽今年から10年以上の計画で、年間3000坪以上の鶏舎をつくりながら、35年以上経過した老朽鶏舎を随時改修していく▽坪羽数を多くした弊害は、小さい鶏ができたこと。鶏糞の処理も課題となっている。食鳥処理場のHACCPを進めている▽吹雪で処理場が稼働できない日が7~8日あった。

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